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「段差がない」「開口部が広い」だけじゃない! 高齢者が本当に「乗り降りしやすい」ミニバン4台とその理由

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、ホンダ

本当に乗り降りしやすい1BOX型ミニバン3台と+1

 ここからは高齢者を後席に乗せるのにお薦めの、本当に乗り降りしやすいミニバンを紹介する。先に触れた、スライドドア開口部高に余裕があるという点では、Mクラスのボックス型ミニバンがいい。現時点での選択肢はセレナ、ヴォクシー&ノア、ステップワゴンの3車となるが、それぞれのスライドドア開口部高、ステップ高/段差、ヒール段差を紹介すると、

◆セレナ
開口高:1305mm/ステップ高:390mm/段差:70mm/ヒール段差340mm
◆ヴォクシー&ノア
開口高:1260mm/ステップ高:370mm/段差:0mm/ヒール段差:370mm

◆ステップワゴン
開口高:1260mm/ステップ高:385mm/段差:0mm/ヒール段差:350mmである。

 このデータから得られる答えとして、足を持ち上げにくい高齢者にふさわしいのは、ワンステップで乗り降りでき、開口部高とステップ高がほぼ同じヴォクシー&ノアとステップワゴンということになる。が、着座姿勢からより立ち上がりやすいのは、ヒール段差が370mmと高いヴォクシーと&ノアとなるだろう。

 ちなみに中古車として流通量も多い、全高が25mm高かった先代ヴォクシー&ノアは開口部高:1315mm、ステップ高:360mm、段差:105mm(2ステップフロア)、ヒール段差:335mmとなり、ワンステップフロアとなった現行モデルに対してスライドドア開口部高こそ余裕があるものの、それ以外の項目では、高齢者向け性能としては劣ることになる。

 最後に紹介するのは、意外にも非ボックス型ミニバンのオデッセイだ。 さすがにボックス型と乗用型ミニバンの中間的ボディスタイルのため、スライドドア開口部高こそ1230mmとボックス型には敵わないものの、ステップ高はローダウンサスペンションを奢るアブソルートで何と、世界の乗用車でもっとも低い部類の290mm(標準車は300mm)かつ段差のないワンステップフロアを実現している。

 しかもヒール段差は370mmと、クルマの後席としてはかなり高く(ボックス型ミニバンのヴォクシー&ノアと同一)、つまり、フロアに乗り込んでからの乗り降りのしやすさも抜群というわけだ。

 結論として、実質5ナンバーサイズのボックス型ミニバンとしてはヴォクシー&ノアとステップワゴン、3ナンバーサイズの大きさでもよい、ということなら、オデッセイが本当に乗り降りしやすい、高齢者が後席でドライブを快適に楽しむのにもぴったりな両側スライドドアを備えたミニバンということになりそうだ。

 もちろん、乗る人の足腰の状態によっては、セレナやステップワゴンも選択肢に入ると思う。

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  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
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