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日本カー・オブ・ザ・イヤーは「レヴォーグ」なら福祉車両のイヤーカーは? 編集部独自にスペシャリストに評価を依頼した!

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、Honda、日産、三菱自動車、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会

福祉車両という観点だとEV車はアリなのか?

 最後に、電気自動車(EV)の可能性も探ってみたい。

 EVは、当然ながらモーター駆動だ。そして、モーターは、エンジンの1/100の速さで加減速を制御でき、ことに回生機能は安全性向上で大きな役目を果たす。

 エンジン車でもエンジンブレーキがそれに相当するとはいえ、変速機が高速側へシフトされていれば、エンジンブレーキはほとんど効かないも同然だ。しかしモーターなら、アクセルの踏み方一つで回生の強弱さえ加減できる。たとえば日産やホンダの「ワンペダル操作」は、ペダルをゆっくり戻せば徐々に減速し、パッと一気に戻せば最大の回生を効かせ急ブレーキのように減速する。

 さらにモーター駆動は、エンジンに比べ1000倍の精度で制御できるといわれる。たとえば1A(アンペア)の電流を流せば、1A分の出力をきっちりだせる。一方エンジンは、1ccのガソリンを噴射しても、それが運転状況やエンジン温度の違いなどによってきちんと霧化できたか、燃焼し切れたかによって出力に差が出る可能性がある。コンピュータが指示した通りの加速や減速を狂いなくできるのがモーターだ。

 モーターの特性を活かせば、障害を持つ人が手だけで運転するときも、期待通りの加減速ができる。

 ホンダには「テックマチック」という手だけで操作できる運転支援装置がある。これを、新型フィットに取り付けることができる。自動車メーカー自らこうした装置を販売するのはホンダだけだ。

 これを、ホンダ初のEVであるホンダeと組み合わせれば、さらに高度で安心の高い手動運転ができるようになるのではないかと思う。

「テックマチック」は左手で操作するコントロールグリップに加減速や、ウインカー、ヘッドライトなどの機能が集約されている。加速はコントロールグリップを手前に引く、減速はコントロールグリップを前方へ押す。万が一のとき、コントロールグリップを手前に引いてクルマが前進していたところから、一気に前方へコントロールグリップを倒しこめば回生が強く働き、なおかつブレーキも最大に効かせることができ、エンジン車より短距離で減速・停止できるのではないだろうか。

 かつて日本EVクラブでは、バイクのハンドルを使い、手だけで運転できるモーター駆動のカートを製作し、2輪事故で車椅子の生活となった青木琢磨選手に運転してもらったことがある。私も運転したが、実に扱いやすかった。EVになれば、同じように手だけでの運転が容易にできるようになるのではないか。

そうした期待も込め、今年のクルマとして「ホンダe」も取り上げたい。

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