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日常運転を極めるにはマイナーモータースポーツ「ジムカーナ」の4つのテクが最高だった

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TEXT: 岡田幸一  PHOTO: Auto Messe Web編集部

スタートダッシュ

 スタートダッシュはジムカーナだけのテクニックではないが、1/100秒、1/1000秒で勝負が決することも多いタイムトライアルでは、失敗が許されない重要な要素になってくるだろう。

 スタートラインにて静止状態から、スタートの合図に合わせてフルスロットルでコースインしていくのだが、日常の運転ではなかなか味わうことのない、アクセル全開でのスタートダッシュ。

 ポイントは、エンジン回転数とクラッチミートのタイミングや合わせ方で、ホイールスピンをさせるかさせないかの絶妙なバランス感覚。クラッチをつなぐタイミングでエンジン回転数が高すぎるとホイールスピンさせてしまうことになり、その場で駆動輪が空転しているだけでは前に進む力になっていないし、逆に弱々しくエンジン回転が低くてもエンジンパワーを効率よくタイヤに伝えることができない。クラッチをジワーっとつなぐのと、ドンっとつなぐのか。すなわち半クラ状態をどのように活かすのかも関係してくる。

 上手いスタートダッシュを習得するには、まずは、意図的にホイールスピンさせてみて、そこから徐々に(エンジン回転数、クラッチにつなぎ方などの)感覚を研ぎ澄ましていくのがいいだろう。

ブレーキング&コーナリング

 スタートしたあとは、自ずとブレーキング&コーナリングが連続する。この2つは分けて考えるのではなく、一連のテクニックと考えたほうがいい。一般道でもカーブを曲がるためには、その手前でアクセルを緩めブレーキを踏んで速度を落としていることだろう。

 ジムカーナではその「スピードを落とす」&「カーブを曲がる」という動作を一連のテクニックと捉え、タイヤのグリップ力を最大限に引き出して、速いコーナリングスピードを維持することが重要になってくる。

 ある程度、速度が乗った状態から、どれだけの強くブレーキ踏めばタイヤはロックするのか(さらにはABSが作動するのか)、カーブではどれだけハンドルを切ればタイヤがグリップを失い道の外に飛び出そうとするのか。前者(ブレーキ)がタイヤの縦方向のグリップ力の限界を意味し、後者(コーナリング)がタイヤの横方向のグリップ力の限界を意味する。

 ジムカーナで速い速度でのブレーキング&コーナリングのテクニックを習得していれば、一般道レベルでのカーブで、タイヤのグリップ力を超えて曲がりきれないなどということはまずは考えられない。それは、“タイヤのグリップ力の限界”を知っているから。どのテクニックもそうだが、「気づき」があることで、日常の運転や危険回避に役立つのは間違いない。 

スラローム

 スキーのスラロームは、旗のギリギリを左右に切り返しながら雪の斜面を滑り降りる競技だが、ジムカーナでも連続的に並べられたパイロンの間を右→左→右→左とリズミカルに駆け抜けるセクションをスラロームと呼んでいる。

 スラロームは、アクセルのオン/オフやブレーキングで速度調整をしながら、ハンドルを右に目一杯切った状態から、次に左に目一杯切る手や腕の動作(ロックtoロック)をできるだけ素早く正確に行なうのがポイント。

 手や足の動作の連携もさることながら、ライン取りもとても重要になってくるので、運転のすべてが集約されたテクニックと言っていいだろう。初めのパイロンへの進入角度や位置、スピードを間違うと、その次、さらに次のパイロンで曲がりきれずに、ついにはパイロンとぶつかってしまうことも十分にあり得る。

 スラロームを上手くクリアするコツは、目の前のパイロンだけを見るのではなく、その先にあるパイロンをすべてイメージして、手前&手前からクルマの姿勢をつくっていくことをイメージするのがいいだろう。

サイドターン

 サイドブレーキを引いてリアタイヤをロックさせて意図的にケツを滑らせ、回転半径を小さくして最短距離でターンするのが、ジムカーナテクニックでいうところのサイドターンだ。スピードレンジが高いレースではまず使うことがないので、ジムカーナの象徴にもなっている。

 どんなときに使うのかというと、1速ギアのような低速度域でパイロンのまわりをぐるっと一周するようなセクションや180度Uターンをするときなどに特に有効。サイドターンを使えばハンドル操作以上に小回りすることが可能だ。

 見た目には、マシンがドリフト状態になり、じつに華麗な動きを見せるので、「サイドターンができるようになりたい!!」とほぼ全員の初心者ドライバーが思うぐらい、代表的なテクニックである。

ドラテク磨きに終わりナシ!!

 ジムカーナで習得したいテクニックの一例を紹介してきたが、ドラテク磨きに終わりはないと言われている。人生をかけて60歳、70歳になっても楽しめるのがモータスポーツであり、陶芸家と同じように歳や経験を重ねてこそ、運転技術はさらに上達するものなのだ。どのテクニックも昨日や今日で習得できるものではない。すぐに諦めずに、長く続けることが何よりも重要。全日本ジムカーナの選手だって練習せずに上手くなった人など1人もいないからだ。

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