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当時は「イロモノ感」も時代が追いついた! じわり中古人気上昇中の小型モデル6台

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、スズキ

【ダイハツ・ミゼット2】ペットのように愛らしい昭和の香り漂うレトロモダンな軽トラ

中古価格:30万~80万円(流通台数/小)

 その歴史を振り返えると定期的に変わり種カーを製造してきたスズキだが、永遠のライバルであるダイハツも過去にフェローバギー、ネイキッドなど超個性派をリリースしている。その代表車種といえるのが1996年に登場したミゼット ll 。元祖ミゼット同様に小口配送に特化した設計で、全グレード1人乗り(4速MTのみ)で助手席のウィンドウは非開閉(2人乗り追加時に開閉式に)。エンジンはキャブ仕様で、ブレーキは前後ドラムと装備は必要最低限。乗り味も荷物搭載を想定した硬めの足と短いホイールベースでひょこひょこと跳ね、快適性からは程遠かった。

 ただ、後輪よりも大きく張り出したフロントフェンダーとボディから横に飛び出したヘッドライトを持つ個性あふれるデザインは正面から見ると故・赤塚不二夫が描いた往年のギャク漫画「もーれつア太郎」に登場するキャラクター、カエルの「ベシ(50代以上じゃないとわからな?)」を彷彿させる愛嬌のよさがあり、懐かしさを感じさせるものだった。

 当初は廉価版のBタイプ、標準型のDタイプ、ドレスアップ仕様のRタイプの設定だったが、1997年にはコラムAT仕様の2人乗りを追加。さらに箱型の荷室を持ったカーゴをラインアップするなどバリエーションを拡大。そのアイコニックなスタイルを含めて一定の評価を得た。1999年の軽自動車規格変更に合わせて、生産中止になるかとも思われたが、安全装備を充実し、スペアタイヤを移動するなど衝突安全基準をクリア。エンジンも電子制御噴射となるなど環境対策も施され、2001年まで生き長らえることに。

 製造中止から20年目を迎え、街中で見かけることは少なくなったが、コマーシャルカーとしては今だ傑作であり、ハイゼットなどのパーツの流用が可能なことから、軽自動車の草レースへの参戦ベース車としても活躍している。中古車市場の中心となる走行距離が多い個体は20万円以下で見つけられるが、走行距離が短い個体は90万円に迫る高値なクルマもある。相場は上昇中なので、状態のいいものを手に入れるなら今がラストチャンスかも!

【スズキ・マイティボーイ】クーペとトラックを融合 時代を先取りした独自のクロスオーバーカー

中古価格:50万~100万円(流通台数/小)

「金はないけどマイティボーイ~♪」という、ホンダ初代シティに通ずるような耳に残る歌詞が印象的だった珍クーペが1983年に登場した「マイティボーイ」。その歌詞のとおり、お金のない若者をターゲットにしたエントリーカーで、廉価版のPS-Aは45万円と当時の軽自動車で最も安かった。

 ただ安かろう悪かろうではなく、内外装ともに洗練もされていた。それもそのはず、ベースとなったのは軽スペシャリティカーの傑作と呼ばれたフロンテクーペの流れを組む正統派「セルボ」。運転席以降を大胆にカットすることで、クーペとピックアップトラックをクロスオーバーさせた独自のキャラクターを生み出すとともに、大幅なコストダウンも達成できた。

 荷台部分にデッキカバー(サイドパネルと幌、PS-Lに標準)をかけるとクーペに見え、外すとトラックになる2つのスタイル(さらにオプションでシューティングブレイク風になるリアのハードトップも設定)を楽しめた。インテリアもチープだが、セルボと共通のスタイリッシュなデザインで安っぽさは感じられず、ドライビングポジションもスポーティ。また、純トラックと異なり、運転席後ろに多少の空間があり、多少の背もたれの角度調整と荷物が積むことができるなど、実用性も十分だった。  エンジンはF5A(28㎰/4.2㎏-m、後期は31㎰/4.4㎏-m)の自然吸気のみ、ブレーキも初期は前後ドラムであったが、同時代のアルトやセルボの高性能エンジンやパーツをそのまま流用するとこができたので、カスタムベース車としても人気が高かった。若者を中心に拡販を狙ったが、当時の保守的な風潮の中ではこの飛び抜けたコンセプトは受け入れられず、5年間で販売台数は約2万3000台だった。ヒネりの利いたスタイルは今見てもカッコいいし、ピックアップの人気が高いアメリカや東南アジアに輸出されたなら、今の軽トラ人気のように爆発的に売れたかもしれない。

 中古車市場では時代が追い付いたのか、取引も活発だが、さすがに走行距離10万km以下の個体は少なく、価格も10万~100万円強と幅広い。おすすめは1985年のマイチェンで5速MT、タコメーター、フロントディスクブレーキなど標準化したPS-L(前期は4速MTのみ、その他2速ATも用意)。カスタムベースとしても無駄がなく、クーペらしい小気味よい走りが味わえる。その希少性と特殊性を含めて目立ちたいなら手に入れる価値は十分ある。

※中古車相場は編集部調べ(走行距離5万km以下、修復歴無しが対象)

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