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ハイテク全盛の今でも「アナログ」有利! サーキットで見かける「サインボード」が手放せない理由

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ドライバーへ情報を伝達する重要なコミュニケーション手段

 金属製のフレームに英数字や記号のプレートを差し込み、クルーがホームストレートを走る車両に向けて差し出す。レースではお馴染みのシーンだけど、コレにはどんな意味があるんだろう。答えはドライバーへ情報を伝達する、重要なコミュニケーション手段だった。

 もしレースをテレビやサーキットで観戦する機会があれば、車両ばかりじゃなくピットクルーの動きにも注目してみよう。ピットロードとコースの境にある『サインガード』と呼ばれる場所では、どのチームも自分たちのマシンに対して同じような動きをしているはずだ。富士スピードウェイの観客席から撮影したピットロード それが冒頭で書いた文字列を組み合わせたプレートで、場合によっては身振り手振りが加えられることもある。コレが『サインボード』と呼ばれるアイテムで、走行中のドライバーとクルーの間における、欠かせないコミュニケーション手段のひとつ。はめ込むプレートは数字とアルファベット、+やーに矢印といった記号もいくつかあり、それらを組み合わせてさまざまな情報を伝達する。

ドライバーに必要な情報を表示したサインボード

 大きなレースでは無線を使うのが当たり前となっており、以前よりサインボードの重要性は低くなったものの、機械だけに故障する可能性は決してゼロじゃない。今やアナログに思えるサインボードだが、その重要性は決して失われていないのだ。さらに視覚による情報のほうが音声より直感的、かつ簡潔にドライバーへ伝達できるとの意見もある。

数字以外にもアルファベットもある

 では代表的な使い方をいくつか紹介しよう。アルファベットのPに続いて数字が表示されていれば、それは現時点でのポジション(P)を表している。Lと数字は現在の周回数で数字の前にーがあれば残り周回数。またドライバーが特に知りたいのは、前後を走っているライバルとの差だ。それは+とーに数字を組み合わせることで表示でき、例えば+3なら後続車に対し3秒のアドバンテージを持っており、ー3ならトップまたは前のクルマからの遅れが3秒という意味になる。ドライバーに後続車の情報を伝えるサインボード

 他にも上向きの矢印を出して「もっとペースを上げろ!」とハッパをかけたり、下向きで「ペースダウンしてタイヤを労れ」とドライバーに指示を出すことも。数字を組み合わせれば周回ごとのタイムを表示できるし、ピットに入れるときは『IN』や『BOX』のプレート、給油タイミングを知らせる『FUEL』なんてのも存在する。ドライバーにピットインの情報を伝えるサインボード ちなみにサインボードの出し方にもテクニックが。接近して来るクルマから見えやすいように、最初はコンクリートウォールに対し垂直で、それから徐々に水平にゆっくり動かしていく。たとえどんなに有益な情報を表示しようと、ドライバーに伝わらなければ意味がないのだ。サインボードの出し方にもテクニック サインボードはフレームとプレートのセットで、実売価格が2〜3万円というのがスタンダード。決してプロのチームだけが使うグッズではなく、アマチュアの草レースでも間違いなく役立つし、ドライバーやクルーの気分だって盛り上がること確実!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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