9000回転まで高らかに歌い上げる「ホンダミュージック」! 中古価格高騰中の「S2000」が「空前絶後」と言われる理由とは (2/2ページ)

インテリアに見る遊び心

 このように数々の専用メカニズムと、突出したスペックを引っ提げて登場したS2000。国産車ではスポーツタイプであってもAT設定を用意するモデルがほとんどであったのに対して、S2000は最後までMTオンリーであったところを見ても、走り一辺倒のモデルであったことは間違いないでしょう。

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 しかしながら所々にドライバーの高揚感を掻き立てるような遊び心があるのも、S2000のポイントと言えます。とくにそれを感じることができるのがインテリア。S2000のインテリア画像はこちら

 スポーツカーと言えば視認性に優れた針のメーターで、タコメーターを中心に配置するというのが王道ではありますが、S2000はその先をいっていました。メーターパネルを見ると、レーシングカーを彷彿させるオレンジ基調のデジタルメーターが装備されています。

 そしてエンジンスタートは当時としては珍しいボタン式で、始動の際はレーシングカーのエンジンスタートの光景が頭によぎります。S2000のエンジンスタートボタン画像はこちら

走りをとことん追求したため如何せん硬派過ぎた

 コンパクトなボディ、ハイパワーNAエンジン、FRというほかにはない唯一無二の存在であったS2000ですが、販売開始から生産終了となる約10年間で国内2万台、世界累計11万台という販売台数的には成功と言えない結果で幕を閉じます。S2000タイプS画像はこちら

 以前よりもスポーツカーが売れないなど理由はさまざまですが、いささか「硬派過ぎた」のも理由のひとつでしょう。ハイXボーンフレームの影響もあってか、室内はかなり狭く収納もほとんどなし。ハイパワーな高回転型エンジンは回せば気持ちいいものの実用トルクに欠け、公道では美味しいところが味わえず宝の持ち腐れとなってしまうことも……。ロータス・エリーゼやスーパー7といった「割り切れる」車種ならまだしも、ギリギリ普段使いが可能なS2000では、このような硬派過ぎるポイントがマーケティング上、痛手だったかもしれません。S2000タイプS画像はこちら

 10年の歴史を振り返ると車速応動可変ギヤレシオステアリング「VGS」の追加や、排気量を2.2Lに拡大し低中速トルクを向上させるなど、ドライバーへの歩み寄りとも見受けられる改良がされています。それは硬派過ぎたことをホンダが感じていた結果なのかもしれません。S2000を振り返る画像はこちら

まとめ:もうこんなクルマは出てこない!?

 2021年現在、絶版国産スポーツカーの中古車市場は高騰していて、S2000もそれに該当します。絶版国産スポーツカー値上がりの理由のひとつは「もうこんなクルマ出てこないから」ですが、S2000はその理由がもっとも表れているモデルです。車種専用メカニズムが与えられるこのクラスのモデルは、もう二度と出ないと言えるでしょう。そのようなクルマ造り的な観点から見ると、S2000の相場価格はまだ安いという見方もできなくはないかもしれません。S2000のシート画像はこちら

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