ターボ車でよく聞く”ブローオフバルブ”とは?その役割やメンテナンス方法について (1/2ページ)

ターボ車でよく聞く”ブローオフバルブ”とは?その役割やメンテナンス方法について

チューニング好きなら一度は聞いたことのある名前

 チューニングカーが好きな人やターボ車を所有している人なら、一度は『ブローオフバルブ』なる言葉を聞いたことがあるだろう。果たしてどんな役割を持つパーツなのか、構造や純正品と社外品の違いなどを解説したい。

ブローオフバルブってそもそも何?

ブローオフバルブとは?

 ブローオフバルブとはタービンで過給し圧縮された空気を、圧力の許容範囲が超えたときに解放するためのパーツ。クルマ好きにとっては社外品のイメージが強いが、ターボ車であればほぼ純正で装着されている。まずはブローオフバルブの役割から説明していこう。ターボチャージャーとはエキゾーストマニホールドから排出したガスがタービンの羽根を回し、その力で吸気側にあるコンプレッサーを回転させて空気を強制的に圧縮する仕組み。

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S660純正ブローオフバルブの仕組み画像はこちら

 アクセルを踏んでいる限りタービンは過給圧を発生させるが、急にオフにしても慣性が働き回転はすぐには止まらない。ただしアクセルがオフなのでスロットルは閉じており、タービンで圧縮された空気は行き場を失ってしまうのだ。空気の流れが阻害されることでサージングと呼ばれる逆流が発生し、結果として再びアクセルを開けたときのレスポンス低下を招くことになる。

 またサージングはタービンのコンプレッサーブレードに大きな負荷を与え、破損つまりタービンブローに直結しかねない非常に危険な現象。サージングを防ぐには余分な圧力を開放する必要があり、その役割を担っているのが『ブローオフバルブ』だ。

ブローオフバルブの構造

 通常ブローオフバルブはスプリングによって弁が閉じており、過給圧が一定の値に達するとスプリングを抑える力を上まわって、弁が開くことで圧力を逃がしてサージングの発生を防ぐというワケ。以上のようにターボチャージャーを備えたエンジンの仕組みを理解すれば、ブローオフバルブはスポーツ走行に限らず絶対に必要なパーツといっていい。

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 なお近年のEGR(排気再循環)を採用したエンジンは別として、スロットルバルブが存在しない従来のディーゼルにブローオフバルブはない。ではエンジンのどこに装着されているのだろうか。スロットルが閉じてエンジンに送り込めない圧縮空気を開放するので、当然ながらブローオフバルブの位置はスロットルより手前になる。要するにインテークパイプと呼ばれる部分なので、機会があれば自分のクルマで確かめてみてはいかがだろうか。

ブローオフバルブは大きく分けて2種類

1:リサーキュレーションバルブ

 上では『ブローオフバルブ』とまとめて説明したが、その種類はリサーキュレーションバルブと、大気開放式バルブのふたつに大別できる。リサーキュレーションは再循環という意味で、開放した空気をコンプレッサーの手前にある吸気管へ戻すタイプ。またの名をサクションリターンとも呼ばれており、自動車メーカーが純正で採用するのはコチラの方式だ。ブローオフバルブによって開放される空気には、エンジンの燃焼室で発生した有害な物質が含まれている。

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 通常それらは触媒で浄化したうえでマフラーから排出するが、ブローオフバルブの位置は触媒よりも手前。なので吸気管へリターンし大気汚染を防ぐのだ。

2:大気開放式バルブ

 いっぽうの大気開放式バルブは名前から想像できるとおり、吸気管に戻さず空気中へ放出するタイプで、リリース式という名称が使われる場合もある。コチラは後述するチューニングにおける数々のメリットがあり、いわゆるアフターパーツとして販売されている製品は大気開放式がほとんど。

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 しかし純正でリサーキュレーションバルブが使われる理由は、有害ガスを放出しないためであったはずだ。この理屈でいえば大気開放式バルブは、車検をパスできなかったり違反になるのではないだろうか。次はそのあたりの事情を説明したい。