さらに追求するなら専用セッティングを施すことも可能
このブーストアップをするECUの書き換えは10~15万円ほどが相場。ブースト圧に合わせて、燃料の噴射量や点火時期、空燃比などが最適化される。ときには電動ファンの回転が始まる温度を下げて、パワーアップに合わせた冷却対策を施している場合もある。それらのデータに書き換えるのだが、作業はECUを書き換えるだけなので数時間。車種によってはECU自体を外して送付することでデータを書き換えて返送してくれることもある。
効果は車種によるところが大きいが、最大パワーの10~20%アップが望める。300psクラスのクルマなら330~350psくらいが目安。140ps/23.4kg-mの現行スイフトスポーツで例えると、160ps/28.0kg-mくらいまで引き上げられるのが一般的。馬力的にも変化が大きいが、トルクが大きく増えることが多い。力強さが増して加速感が明らかに良くなる。NA車のECUチューンも効果はあるが、ターボ車ほどの大きな恩恵はないと断言できる。10~15万円ほどで、簡単に何十馬力も上がるブーストアップはコストパフォーマンス最高なのである。
さらに性能を発揮させるには、1台ずつセッティングを合わせ込む「ECU現車合わせ」を行ったほうがいい。そうするとさらに5~10万円ほどのコストが掛かる。しかし、現行車であればそこまでしなくても十分な効果は得られる。
ターボ車が人気の理由はブーストアップでパワーが出しやすいことにあるが、モアパワーを求めるならタービン自体を大きなものに交換する手もある。ざっくり言うとタービン交換は本体と工賃で約50万円からがスタート。パワーもドカンと50~100psアップさせることができるが、コストもかなり掛かる。
車種にもよるが燃料インジェクター交換や、燃料システムのキャパをアップすればもっとパワーが出せることもあるが、そうなるとタービン交換+50万円ほどが目安。つまり100万円コースなのだ。それに比べると遥かに敷居が低く、効果が大きいのがブーストアップなのだ。
昭和から平成のブーストアップは、ブーストコントローラーを取り付け、タービンのアクチュエーターは強化品にして、ECUは何度か空燃比を確認しながら書き換えていく必要があり、コストも時間も遥かに掛かった。しかし、現代のクルマのブーストアップは極めて簡単。ターボ車ならば、ぜひオススメしたいチューニングの第一歩なのだ。