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F1譲りの技術満載の「ブルドッグ」! じゃじゃ馬すぎたホットハッチ「シティ ターボⅡ」

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TEXT: 佐藤幹郎  PHOTO: 本田技研工業

ホンダF1第二期のはじまりとシンクロするシティターボⅡの登場

 ターボⅡ発売と同時期の1983年はホンダがF1に復帰した年で、じつはF1同様にターボⅡにも空冷式インタークーラーが備わり、熱伝導効率の良いアルミニウム合金製インタークーラーは吸入空気を最大で45度も冷却できる仕様であった。第1〜2期ホンダF1 F1以前にF2に参戦しているホンダであったが、レーシングカーと市販車、おそらく同時期に一貫して開発が行われていたことが想像される。どちらが発端だかわからないが、レースは走る実験室。「レースの技術を市販車に」、「市販車の技術をレースに」とホンダならではの開発が行われたのは間違いないだろう。

カブリオレも登場! ターボと同様に攻めた商品力で大ヒット

 そして1984年にはフランス語で「一頭立て二輪馬車」を意味するカブリオレが発売された。日本では希少なソフトトップを持つオシャレなカブリオレは、ボディカラーに異例といえる多彩な12色を設定して注目を集めた。スタイリングはイタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナが手掛けたことを表明しており、外国のデザイン会社と提携して開発およびデザインをしながらその名を伏せるメーカーが多いなか、結果的に商品が良ければよいでしょう、といった感じは自由気ままのホンダらしいエピソード。ターボ同様、カブリオレも長年にわたってファンに愛されるモデルであった。シティ カブリオレ(カラーバリエーション) 余談ながら、カブリオレのソフトトップ(幌)は1990年代にも再生産されていて、カブリオレのオーナーが幌を交換したい要望に応えたことで、多くのカブリオレを延命することができた。

 1985年には量産車初のFRM(繊維強化複合材料)アルミニウム合金製コンロッドや、混合器を最適な空燃比にするLLR(リーン・リーン・リッチ)システムで燃費を向上。クラストップの低燃費である24km/L(10モード)のEⅢグレードを投入するなど、燃費についてもさまざまなチャレンジが行われた。初代シティ(カタログ) 斬新なテレビCMで颯爽と登場した異色のトールボーイは、大ヒットモデルとなると世界最小のターボエンジンを追加。そこで人気が高まると、エボモデルと言えるインタークーラー付きのターボⅡと、オシャレなカブリオレを発売。1986年秋に2代目に切り替わるまで、とにかく話題に事欠かなかった初代シティ。まさに当時のキャッチフレーズ「シティはニュースにあふれていた」。

 

■ホンダ・シティ ターボⅡSPECIFICATION

〇全長×全幅×全高:3420mm×1625mm×1470mm

〇ホイールベース:2220mm

〇トレッド 前/後:1400mm/1390mm

〇車両重量:735kg(サンルーフ装着車745kg)

〇乗車定員:5名

〇最小回転半径:4.6m

〇室内長×室内幅×室内高:1615mm×1310mm×1175mm

〇エンジン:ER型直列4気筒OHC12バルブ インタークーラーターボ

〇総排気量:1231cc

〇最高出力:110ps/5500rpm

〇最大トルク:16.4kg-m/3000rpm

〇タイヤサイズ 前後:185/60R13

〇ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/LT油圧

〇サスペンション 前後:ストラット式

12
  • 初代シティ(カタログ)
  • シティ カブリオレ(カラーバリエーション)
  • シティターボⅡ(走り)
  • ER型CVCC水冷直列4気筒横置OHCエンジン
  • シティターボⅡ(スタイリング)
  • シティターボⅡ(空力cd値0.40)
  • シティターボⅡ(バケットシート)
  • 第1〜2期ホンダF1
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