ブリヂストンRE71がオプションとして用意されていたGT-FOUR
そしてフルモデルチェンジ翌年の1986年10月に、いよいよトヨタ車初のフルタイム4WDとしてGT-FOURが登場する。センターデフ方式(手動のデフロックスイッチ付き。1987年からはビスカスカップリングに変更)のフルタイム4WDとし、エンジンは新開発のレーザーα3Sツインカム16ターボの3S-GTE型(ネット185ps/24.5kg−m)が搭載された。ターボチャージャーは小型・軽量・高効率タイプで、水冷式のインタークーラーの組み合わせ。エンジン回転が1600〜4800rpmでフル加速状態になると約10秒間、過給圧を標準より高めエンジン出力を最大限に発揮させる過給圧制御も採用されていた。
【関連記事】真のモテ男こそオープンカーで勝負をしていた! ツウには人気だった隠れデートカー5選
画像はこちら 外観では丸型ハロゲンフォグランプが組み込まれた専用デザインのフロントバンパー、大型ロッカーモール、それとボディサイドのGT-FOURのデカールなどが専用。タイヤは195/60R14 85HとFFのGT系とサイズは共通ながら、GT-FOURではピレリP6000を標準装着、BSのRE71が注文装備として用意されていた。
GT-FOURのインテリアはアダルト指向だった
インテリアの装備では本皮革+フルファブリックのシートがGT-FOURだけの使用として装備され、これには電動式のランバーサポート、サイドサポートの各アジャスターが備わっていた。
画像はこちら
オーディオもシリーズでは当時としてはもっとも充実した、カセット一体AM/FMマルチ電子チューナー付きラジオ(サウンド・フレーバー・システム付き)が備わり、4スピーカーながら、GT系では標準だったライブサウンドスピーカー・システムを備えていた。
画像はこちら
カルロス・サインツの足元にも及ばないが、広報車を借り、日本の一般公道で試乗したときのことは筆者もよく覚えている。5速MTでハイパワーを駆使しながら、嘘のようにヒラヒラとワインディングを駆け回れる爽快感がとにかく印象的だった。今のクルマに較べメカニズムもずっとシンプルだが、それだけに、何もスキー場を目指さなくても、然るべき道をサラッと走っただけでもドライビングの楽しさを味わわせてくれた、そんなクルマだった。