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本物は焼失した1台のみ! 謎と伝説にまみれた「ランボルギーニ・イオタ」とは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/LAMBORGHINI

イオタを熱望する裕福な顧客からオーダーがありレプリカを製作

 ここで話が終わらなかったところがイオタをミステリアスな存在にした所以で、イオタを熱望する裕福な顧客たちから「自分もイオタが欲しい」というオーダーが殺到したため、ランボルギーニはミウラをベースとした“イオタレプリカ”を製作することにした。現在、イオタと呼ばれているものが、このときに造られたクルマたちなのだが、焼失してしまったイオタ(オリジナルJ)は一台しか存在しないので、あくまでも正式な名称はミウラSVJとなる。ランボルギーニは現在もイオタレプリカをミウラとして扱っている。ランボルギーニ・ミウラSVJ

 日本で有名なイオタレプリカといえば、当時の西ドイツでランボルギーニ・ディーラーを営んでいたフーベルト・ハーネのオーダーにより、1975年11月にイオタ仕様となったシャシーナンバー#3781の個体だ。このクルマの足まわりはミウラSVのモノに交換され、エンジンもチューン。そのレーシーなスタイルからイオタSVRと呼ばれ、これが本物のイオタだと思っている人も多い。ランボルギーニ・ミウラSVR

 特徴的なルーフウイングとBBSホイールはランボルギーニからデリバリーされたあとに装着されたのだという。ちなみに、このルーフウイングは、ウルフカウンタックをオーダーしたことで知られるウォルター・ウルフが、最初期のカウンタックLP400に装着していたものと同型だ。ランボルギーニ・ミウラSVR

 フーベルト・ハーネはアメリカ人のためにシャシーナンバー#3781のイオタ仕様をオーダーしたがキャンセルとなったため、某日本人に売却。スーパーカーブームで盛り上がっていた1976年6月2日に日本に上陸した。そういったこともあり、日本人のなかでイオタ=リヤフェンダーがワイド化されているイオタSVRというイメージなのであった。ランボルギーニ・ミウラSVR

 世界中に数多くのイオタレプリカが存在しているが、現時点ではシャシーナンバーが#3754、#4088、#4808、#4860、#4892、#4934、#4990、#5084、#5090、#5100、#5113の個体がランボルギーニによって製作されたミウラSVJであることが確認されている。

 スーパーカーブーム全盛時に神奈川県横浜市港北区にある新羽町の町工場でイオタのクローンを製作していたという黒いウワサがある。それを高価で買ってしまったオーナーがいるかもしれないので、友人が自身のミウラのことを「ミウラSVJ」と呼んでいたら、シャシーナンバーの確認作業は控えたほうがいいだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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