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乗りたいクルマの後席は高齢者フレンドリーか? 見分ける5つの条件とは

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

【後席のフロアからシート先端までの高さ】

 もうひとつ、乗降性のキーポイントとなるのが、着座と立ち上がり性だ。いかにリヤドアの開口部が広くステップが低くても、シートから立ち上がるのが難儀では、とくに足腰が弱った高齢者にとっては乗降性のいいクルマとは言い難くなる。ホンダ・フィット

 そのポイントなるのがヒール段差であり、それが高いほうが乗り降りしやすいことになる。ローソファに座り立ち上がるのと、食卓のいすに座り立ち上がるのとでは、どっちが楽かと言うのと同じ理屈だ。もちろん、ヒール段差が一部のミニバンの3列目席のように極端に低いと、膝を抱えるような着座姿勢になり、お尻で体重を支えるような着座姿勢を強要され、結果、着座性と立ち上がり性ともに悪くなる。

【頭上方向の余裕】

 ヒール段差の低い順では、マツダ2 330mm、インプレッサスポーツ330mm、スイフト345mm、フィット365mm、アクア370mm(ヤリスは未計測)となる。とはいえ、330mm以上あれば、身長172cmの筆者が座った際、膝を大きく抱えるような着座姿勢にはならない(300mmを切ると膝を抱えるような姿勢になりがちだ)。後席のシートの高さも重要

 前席優先でコンパクトカーを選ぶとしたら、ここでの評価があまりかんばしくなくてもまったく関係ない。むしろそのクルマが先進運転支援機能でライバルを大きくリードしているケースもあるから、そのあたりのバランスを取り、後席に子どもを抱いた母親や、足腰が弱った高齢者を頻繁に乗せるか否かで、ここでの実測データを参考にしてもらいたい。カップルズカーとしてなら、後席の乗り降りがしやすいクルマより多少しにくかったとしても、評価を落とすことはないということだ。

 もちろん、コンパクトカーを後席の乗降性の良さに特化して選べば、ルーミー&タンクやソリオとなり、背が高くてドア開口部もまた高い。そしてステップが低く、フロアへの段差がない、両側スライドドアを備えたプチバン、コンパクトカーになるのは当然だろう。

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  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 青山尚暉(AOYAMA Naoki)
  • 学生時代からプロミュージシャンとして活動し、ある日突然自動車専門誌、輸入車専門誌の編集者に転身。その後、モータージャーナリストに。新車試乗記やクルマコラムの執筆だけでなく、1台のクルマに対して20カ所以上を独自開発ツールで計測する車両パッケージ解説にもこだわりまくる性分。また、ドッグライフプロデューサーとしても活動し、愛犬とのドライブ術、ペットと泊まれる宿について情報発信。Web、専門誌、一般誌、ラジオ、TV、インターペット、キャンピングカーショーなどで「愛犬との快適安心な旅スタイル」を提言。小学館@DIME、PETomorrowなどでは愛犬とのライフスタイル、ドッグフレンドリーカー記事を展開中。カートップの連載「CT DOG」をまとめた『愛犬と乗るクルマ』はドッグフレンドリーカー選び、愛犬とのドライブ旅行のバイブルとなるムック本。著書に「ぼくたちの外車獲得宣言」「ムリしないで外車が買える本」「すごい海外旅行術」など。輸入車の純正ペットアクセサリーの企画、開発、デザインにも携わっている。趣味はスニーカー、バッグ、帽子の蒐集。今も音楽をいい音で聴くことにこだわり、愛車のサウンドシステムは総出力400W 10チャンネル9スピーカーで構成されるデンマークの「DYNAUDIO」。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(1994年~)。
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