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【酷暑を乗り切るオーバーヒート対策3選】すぐに実践したい冷却術をお教えします

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: BLITZ/NISMO/Auto Messe Web編集部

対策2:サーモスタット交換

 サーモスタットは設定温度になるまで冷却水をラジエーターに回らないようにしていて、その温度になると開弁してラジエーターに冷却水を流して冷えるようにする装置。普通に乗っていたら冷却能力に余裕があるので、たとえば設定温度が90℃だとしたら、90℃になると冷却水がラジエーターに流れ、89℃になったらまた閉じてを繰り返していて、サーモスタットの設定温度付近で水温は安定する。

 サーキットではエンジンを酷使するために、冷却性能を上回る発熱の場合は、徐々に水温は上昇していく。そこで、チューニングパーツの「ローテンプサーモスタット」が役に立つ。ノーマルが90℃だとしたら、たとえば65℃から開弁することで早くからラジエーターで冷却すれば、徐々に水温が上がったとしても105℃など危険温度になるまで時間を稼げる。それだけサーキットで連続走行ができるというわけである。

 早めから開弁すると水温はジワジワとしか上がらないので、意外と結構な時間を稼げるものである。しかし、先述のように冷却能力が勝っている場合、その設定温度付近で水温は安定する。なので、現代のクルマで65℃などのローテンプサーモスタットにすると、街乗りで水温が65℃になってしまうため、クルマは低水温補正が入り、水温を上げようと必死に燃料を濃くしたりして燃費が悪化。エンジンも本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまう。車種によって低水温補正が入る温度が異なるので、それを把握した上で選ぶようにしたい。

ローテンプサーモスタット

対策3:ラジエーター交換

 無闇に交換する必要はないが、かなりエンジンをチューニングをしてあるとか、純正ラジエーターを10年も15年も使っているというなら、アフターパーツに交換するのも手だ。アフターパーツのラジエーターは厚みが増していたり、高効率なフィンを使っていたりして水温を下げやすい。

 また、純正ラジエーターも無限に使えるわけではなく、上部のカシメが割れることがある。トラブルが起きるまでは冷却効率が落ちるわけではないが、そうなるとラジエーターから冷却水が漏れてしまうので、予防整備という意味での交換もありだ。

 大きなトラブルが起き、オーバーヒートしてからでは遅いので、早め早めに対策をしてもらいたい。ちなみに「ハイプレッシャーラジエーターキャップ」は、水温が大きく上昇したときに沸騰して気泡が発生し冷却できなくなってしまう現象を、高圧にすることで冷却液の沸点温度を引き上げて抑制するためのものであり、装着すれば水温が下がるわけでないので注意して装着してもらいたい。

社外のラジエーターは様々な性能のものを選べる

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  • RB26など旧世代のエンジンでは適正水温と油温が低め
  • 記録的な猛暑の今年、外気温とともにクルマの温度も気を配りたい
  • BLITZのOBDモニター「Touch-B.R.A.I.N PLUS」
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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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