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「ロータリーエンジンは不滅です!」車好きなら一度は乗っておきたいロータリーの魅力とは

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

クルマの多様性を知る上で一度は乗っておきたい

 ロータリーエンジンは、外側の繭型をした筒の内側を、三角形をしたローターが回転し、その隙間にできた燃焼室でガソリンを燃やして力を生み出す。したがって、ピストンが上下に動くレシプロエンジンと違い、生み出された力を上下運動から回転運動へ変換する機構がロータリーエンジンにはない。このため、ガツンと来るようなトルクの力強さを感じにくいところがある。

 しかし、ローターが1回転する間に、三角形をしたローターと繭型の筒との隙間が3回できるので、3度の燃焼が可能になる。いわばレシプロの2ストロークエンジンのように燃焼を連続的に行えるので、小さな排気量でより高い出力が得られる。小型でも高性能にできるのがロータリーエンジンであり、トルクの力強さを実感できなくても、滑らかに回転するエンジン特性とともに、想像以上に速度が出ているということにもなる。ロータリーエンジン

エンジンが小さいためフロントノーズの低い造形が成り立つ

 ロータリーエンジンは回転運動しかしないエンジン機構なので、振動は少ない。また2ストロークエンジンのような連続燃焼によって、排気音は比較的甲高い音色になる。きちんと消音すれば、かなり静かな走行をすることもできる。

 上下運動がないので、エンジン外観の寸法はレシプロエンジンに比べ小さく抑えることができる。そのためマツダのコスモスポーツやRX-7のような、FR車でもフロントボンネットフードの低い外観の造形が可能となる。ロータリーエンジン車だからこそのスポーティなスタイルを生み出せるのだ。マツダRX-7

 ロータリーエンジン独自の個性は、レシプロエンジンとかなり違った感触や性能をもたらす。レシプロエンジンに馴染んだ人には、違和感を覚えるということもあるかもしれない。

 同様のことが、電気自動車(EV)にもいえる。円筒形のモーターは、固定子(ステーター)の内側を回転子(ローター)が回る機構なので、振動が非常に少ない。燃焼がないので、排気音もなく静かだ。一方、ロータリーエンジンと異なるのは、モーターは回転をしはじめたときから強いトルクを発生できる特性のため、ドンッと力強い発進ができる。基本的に変速が不要のため、その先の加速は伸びやかだ。

 ロータリーエンジンとモーターは、その機構や特性がレシプロエンジンと異なるので、その違いを活かした運転や楽しみ方があるはずだ。

 そこで問われるのが、レシプロエンジン好きなのか、それともクルマが好きなのか? といった志向の話である。

クルマ好きなら1度は味わってみたいエンジン

 精緻で複雑な機構を含め、レシプロエンジンを愛する心があっていい。一方で、より簡素な機構でありながら、クルマを走らせる動力として別の面白みがあるという楽しみ方もあっていい。ロータリーエンジン車もEVも、クルマの多様性の点から、一度味わってみて損はない。

 たとえば馬も種類によって得意な能力に違いがある。サラブレッドは知られる通り、速く走ることに長けている。小柄なモンゴル馬は、その姿から想像する以上に急峻な丘を駈け登れる底力がある。乗馬にも、馬の違いによる楽しみ方や遊び方があるのだ。

 レシプロエンジンが好きなのか、総合的な視点でのクルマ好きなのか、と問う意味は、そこにある。

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