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ターボ車の「プシュルルル~」音はなぜ聞かれなくなった? あえてディーゼル車用ブローオフバルブが開発される理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: BLITZ/Auto Messe Web編集部

タービンで圧縮された空気が逆流するのを防ぐパーツだった

 ローダウンをした車高や派手なエアロパーツに加え、チューニングカーの象徴といえるのが「サウンド」だ。そのなかでもターボ車がアクセルをオフにした際に発する、ブローオフバルブの『プシュルルル~』という音はインパクトが大きく、かつては峠やサーキットばかりか街なかでも耳にすることが多かった。

 ブローオフバルブとはタービンで圧縮された空気が逆流するのを防ぎ、レスポンスの悪化を防いだりタービン自体を保護する役割がある。社外品のブローオフバルブは「大気開放」タイプが主流で、機能はもちろんのこと圧縮した空気を放出するときの音も人気だった。ブローオフバルブ

 とくにブリッツがリリースした「スーパーサウンドブローオフバルブ」は、音質にこだわり空前の大ブームを起こした。以前はターボ車を買ったらまずブローオフバルブ、という風潮すらあったが最近は様子が違ってきた。

 社外パーツとしては当然ながら現在も販売されており、新製品も開発されているものの、昔に比べるとブローオフバルブの音を聞く機会は減ったと言わざるを得ない。その理由はいったい何なのだろうか。

最近聞かない理由のひとつはスポーツカーのターボ車が減ったこと

 まず根本的にスポーツモデルのターボ車の数が減ったこと。1990年代に走り屋たちを魅了した日産シルビアやマツダRX-7にトヨタ・スターレットなどはもはや存在せず、V35型&V36型スカイラインやZ33型&34型フェアレディZのように自然吸気へと変わった車種もある。つまりブローオフバルブを装着できるクルマが、以前よりだいぶ減ってしまったというワケだ。

 とはいえ近年では課題だった燃費や排ガスの問題をクリアして、国産車では小排気量を中心としてふたたびターボエンジンが増加の傾向にある。しかしECUによる制御が著しい進化を遂げたことにより、圧縮した空気を逃すのにブローオフバルブが必要なく、そもそも純正でブローオフバルブが装着されていないエンジンが少なくないのだ。

 現行モデルかそれに近い年代で純正ブローオフバルブがあるのは、国産スポーツカーでいうと日産GT-RやスバルWRXやスズキ・スイフトスポーツなど。ただし軽自動車ならばスズキR06AにダイハツKFにホンダS07Aと、今も大半がブローオフバルブを使っており、対応する社外品も多い。

ディーゼルエンジン用のブローオフバルブもある

 数こそ減ったものの作動音に憧れるファンが多いことを示すのは、HKSがブローオフバルブ「スーパーSQV」のディーゼル用を開発したことにあらわれている。圧縮した空気が逆流しない構造のディーゼルエンジンは、本来はブローオフバルブを取り付けても機能面の効果はない。しかし件の音を求めるディーゼル車オーナーの声を受け、正圧で本体を作動させる仕組みでハイエースのディーゼル用をHKSが開発したのである。

 高周波かつ大音量のサウンドを奏でるよう形状が工夫されており、アルミダイキャストのボディはエンジンルームのドレスアップ効果も。ブローオフバルブの全盛期より数こそ減ってはいるものの、機能パーツとして有用であることは何ひとつ変わっておらず、ディーゼル用ブローオフバルブなど、新たなファン層も掘り起こされているのだ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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