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どうしてマフラーは偶数が多い? 4本出しはあっても5本以上は見かけない理由とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: BMW AG/Auto Messe Web

  • マフラーのイメージカット

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  • 4本出しのR35GT-R

高性能モデルのフルノーマルは2本もしくは4本が多い

 排気効率を高めるチューニングという本来の目的に加え、ドレスアップにおいても重要なアイテムといえるマフラー。ステンレスやチタンといった材質の違いはもちろん、オーバルにスラッシュなど出口のデザインもさまざまで、エアロパーツと同じく後ろ姿の印象を大きく変える。

 なかでも重要なのはテールエンドだ。右側から出るのか左側から出るのか、両側なのか、さらにはシングル出しなのかダブル出しなのか。ここで不思議に感じるのは、ノーマルは出口の本数が2本出し以上の場合、基本的に奇数ではなく偶数で、その場合は2本か4本が圧倒的に多く、6本出しや8本出しが存在しないこと。

 アフターパーツでは6本出し風があったり、レクサスLFAの純正はセンター3本出しだが、今も昔もマイノリティであることは変わらない。果たして2本出しや4本出しにする合理的な理由、例えば排気量や気筒数との関係はあるのだろうか。

LFAのマフラー

複数出しは効率を追求した結果

 まずは機能面から考えてみよう。マフラーのもっとも重要な役割は、排気の流れをスムースにすること。そのためには排気量に応じたパイプの太さが必要で、テール部分も大口径化していくのは当然といえる。

 しかし、出口が大きければ大きいほど最低地上高の余裕はなくなる。そこで排気効率とのバランスを考えて編み出されたのがデュアル化だ。メインパイプの形状やサイレンサーの構造によって差は出るものの、100φの1本出しよりも75φの2本出しのほうが断面積は広くなる。さらに現在ほど加工の技術が進んでいなかった時代は、太いパイプを作るより本数を増やすほうが容易だった。以上の理由から2本出しや4本出しのマフラーには、高性能の証という一面があったと考えていいだろう。

 ちなみに気筒数とテールの本数に機能面における因果関係はないが、V型や水平対向のようにシリンダーが左右に配置されたエンジンは、マフラーを左右に分けてキャラクターを暗にアピールするという側面もある。

4本出しのR35GT-R

アフターパーツは1本出しを2本出しにするなどアレンジも多彩

 ではアフターパーツとしてのマフラーはどうか。排気効率を理由に2本出しや4本出しを採用したケースも当然あるはずだが、カスタムした証として出口のデザインを大きく変えるケースも少なくない。ノーマルが片側の1本出しなら2本出しに変更した製品や、逆に左右の2本出しから片側の1本出しにする製品もある。性能に大きく影響するのはメインパイプやサイレンサーと考えれば、2本出しや4本出しのテールが多数を占めるのはデザイン上の理由、また車両のパフォーマンスをアピールすることが目的かもしれない。

※2022年7月25日(月)11:35 一部記事内容を修正しました。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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