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新車価格895万円のVW「ビートル」が存在した! 限定250台の過激ルックス「ニュービートルRSi」とは

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/VW

可愛らしいボディも逞しさが漂う肉食系に

 お菓子のCMで流れる「可愛い顔してハードだよ~」というキャッチコピーがありますが、今回の主人公であるRSiはまさに、可愛らしいボディながら、逞しさが漂う肉食系に変身していました。元来ニュービートルは、曲線と局面を多用したデザインでまとめられていて、基本的には可愛い系のスタイリングです。

 RSiも一見しただけでは可愛い系のスタイリングなのですが、よく見るとひと味もふた味も違っています。フロントビューはバンパー下の3連のエアダクトが大型化されていることがひと目で分かりますが、注意深く見ていくとフェンダーの張り出しが、より広げられていることも分かってきます。

 サイドに回ると、やはり基本的なシルエットは、丸っこくて可愛らしいニュービートルのそれですが、大きく張り出したサイドステップがただならぬ凄みを演出しています。そしてリヤビュー。これはもうひと目で並のニュービートルでないことが明らかです。VWビートルRSī

 バンパー下のエアアウトレットはレーシングカーのアップスウィーパーを思わせますし、その両サイドに突き出されたテールパイプも存在感は圧倒的です。そしてリヤウインドウの上下に取り付けられたウイング形状のルーフスポイラーと小ぶりなリヤウイング。これでもう決まりです。もちろんドイツ車御三家のVWがリリースしているのだからエアロが見掛け倒し、なんて考えもしないのですが、この見てくれだけでも存在感は十分!

 もちろんルックスだけでなくメカニズムも、並じゃありません。狭角V6エンジンは3.2Lの排気量から225psを捻り出していますから、日本国内に導入された2Lのベースモデル(116ps)のじつに倍近い最高出力を発揮していることになり、0-100km/h加速は6.5秒と発表されています。

 一方インテリアはカーボンのフレームに鮮やかな赤い本革を張ったレカロ製のフルバケットシートに加えて、カーボンパネルやアルミ削り出しのパーツが多用され、格好良さも半端ないものがあります。ただしパフォーマンスが高められているのに応じてシャシーも強化されているので、結果的に操作系は重く、軟な草食系男子には荷が重いクルマともなっていました。

 そのパフォーマンスを反映するかのように、販売価格は895万円と、国内で販売されたVW車のなかでもダントツの最高金額となっていました。全世界で250台限定、日本国内ではわずか45台限定とされていましたが、発売されると早い段階で完売したようです。現在では中古車市場では新車時の半値くらいで売りに出されることもあるようですが、何せタマが少ないので、欲しいと思うなら、見つけたらすぐに対応することをお勧めします。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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