バブル末期に生まれたマツダFD型「RX-7」の奇跡! ロータリースポーツの傑作は見た目も中身も贅沢の極みだった (2/2ページ)

見る人を魅了する随一のスタイリング

 FD3Sというと、当然ながらピュアなスポーツカーとしての動力性能および運動性能で、多くのファンの心を掴んだことは言うまでもない。

 だが、見逃せないのが(というよりも最初から十分に「魅了」されていたことだったが)、何といってもひと目見れば目に焼き付いて忘れることができない、ひと際の個性、存在感を発揮したスタイリングだった。全長4295×全幅1760×全高1230mmという3サイズを持つFD3Sはとにかく低く、短いフロントオーバーハングで始まるかなり大胆な3次曲面で構成された薄いアンダーボディと、その上に乗ったギュッと引き締まったキャビンなど、どのアングルから眺めても見応えのあるフォルムをしていた。

 さらによく見れば「エアロウエーブルーフ」や、ヒンジ式で開閉する(FCは並行移動でせり上がる方式だった)専用品のランプユニット、スモークのかかったガーニッシュと一体化したリヤコンビランプなど、ディテールにもこだわりが見られた。

 一方で極めて低いドライビングポジションのインテリアは、ドライバーを中心にデザインされたもの。タコメーターを正面に据えたメーターはクロームのリング付きで、オーセンティックな味わいを醸し出していた。もともとは4名乗りでスタートしているが、「TYPE RZ」、「TYPE RII」などの2シーターモデルも設定。搭載エンジンも最終的に280ps/32.0kg−mにスペックを高めている。

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 2003年4月まで、11年4カ月の販売期間を全うしたのがFD3S型3代目RX−7だった。1970年代初頭のオイルショック後、気骨のあるスポーツカーとして初代が登場して以来、2代目、そしてこの3代目と、つねにその登場はセンセーショナルで、クルマ好きなら気にならないはずはない存在だった。振り返ると、登場の度にいてもたってもいられずにディーラーのショールームに走った……そんなトキメキを覚えたクルマ好きは決して少なくないはずだ。アンフィニ名義だった最初のカタログは、前半は写真で見せ、後半にたっぷりとした文章でRX−7が語られている、マニア心をくすぐる構成だった。