レース部門直系の技術が注がれたガヤルド
スクアドラ・コルセとは、ランボルギーニのカスタマー・レース部門の名称。フェラーリでいえばコルサ・クリエンティに相当する社内組織である。現在ではGT3を頂点とするレースカーの製作やサポート、さらにはワンオフモデルの製作など、その活動は幅広い。
LP570-4スクアドラ・コルセの第一の特徴は、さらに洗練されたエアロダイナミクスにある。改良されたフロントスポイラーや大型のリヤウイングはその象徴的な存在で、特に後者はスタンダードなウイングの3倍ものダウンフォースを生み出すという。
エンジンカバーはクイックリリースが可能で、それを取り外せば、570ps仕様のV型10気筒エンジンが現れる。組み合わされるトランスミッションは6速のeギア、駆動方式は車名にも示されているとおりフルタイムの4WDとなる。
2014年にランボルギーニ・デュッセルドルフにデリバリーされた出品車は、最初の4年間で約5300kmを走行。その後新たなオーナーに渡るが、2015年(3411km)、2016年(4774km)、2018年(5220km)、2019年(5510km)、そして2021年(5710km)時の各々のサービス記録が残されており、現在のオドメーターには5935kmが示されている。
RMサザビーズは、このガヤルドLP570-4に、20万~22万5000ユーロ(邦貨換算約2700万円〜3080万円)の予想落札価格を提示したが、残念ながら落札には至らなかった。ガヤルドの後継車であるウラカンのマイナーチェンジも近づく中、オークション参加者のガヤルドに対する購入意欲も控えめだったということなのだろうか。
ともかく、いまプレ値がついていないランボルギーニとしては、ガヤルドが狙い目。最終モデルといえる「LP570-4スクアドラ・コルセ」はいずれコレクターズアイテムになる素質があるように思うのだが、いかがだろうか。