憧れの「エアストリーム」はなぜ日本で流行らない? 道路環境だけでない免許制度の理不尽とは (1/2ページ)

憧れの「エアストリーム」はなぜ日本で流行らない? 道路環境だけでない免許制度の理不尽とは

アメリカ流アウトドアライフの象徴「キャンピングトレーラー」

 ここ数年、爆発的に盛り上がるキャンプブームに乗り、キャンピングカーが注目を集めています。コンパクトで経済的な軽キャンパーやミニバンをベースにしたバンコンを中心に販売台数を伸ばし、日本RV協会の調査によると2021年のキャンピングカーの販売台数は前年比で7%の増加、約8600台ものキャンピングカーが売れたと報告されています。

銀色に輝く「エアストリーム」は映画でもおなじみの人気者

 その一方、キャンピングカーの陰に隠れてしまい、イマイチ盛り上がらないのが「トレーラーハウス」。このトレーラーハウスはキャンプングカーとは違い、車両と居住スペースが切り離せるのが大きな魅力となっています。キャンピングカーがクルマと居住スペースを一体化しているのに対し、車両とトレーラーハウスを別にすることで快適な居住空間が生まれるのです。

 本場アメリカではキャンピングカーよりもトレーラーハウスの方が一般的で、映画やドラマにも登場するメジャーな存在。とくに「エアストリーム」と呼ばれるメーカーはキャンプ好き、アウトドアファンの憧れであり、銀色に輝くキャンピングトレーラーを一度は目にしたことがあるはずです。

 最近では代々木駅近くにエアストリームを使った喫煙所が登場して大きな話題になりました。また、某ビール会社のテレビCMにも使われ、映画『バグダッドカフェ』、『ザ・コンサルタント』ではバイプレイヤー的な存在として登場しています。

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 このエアストリームの歴史を紐解くと、1930年代の初めにアメリカのロサンゼルス郊外でワーリー・バイアムが少年時代に見た幌馬車にインスパイアされて製作したのが始まり。軽量なアルミ素材を使ったスペイシーなデザインは世間の注目を集め、アメリカだけでなくカナダやメキシコでも人気を博しました。西部開拓時代のアメリカでは幌馬車が当たり前だったこともあり、牽引式のトレーラーハウスは一般にも受け入れられ、現在もスタンダードな存在として認知されています。

日本での普及のネックは大きさと牽引免許の制度

 映画やCMで馴染のあるエアストリームですが、なぜ日本で市民権を得ることができないのでしょうか? もちろん、この疑問にはエアストリームだけでなくほかのトレーラーハウスも含まれるのですが、その答えは日本の国土の狭さと牽引するための免許制度にあると言われています。国土の広いアメリカでは牽引した状態でも邪魔になることはありませんが、車両の全長に加えて牽引するトレーラーハウスの長さを加えると最低でも10m近くの全長になってしまいます。国土の狭い日本では駐車場問題や道路の狭さなどがネックとなり、普及にブレーキを掛けているのは間違いありません。

 また、日本の免許制度では総重量が750kg以下のトレーラーであれば特別な免許は必要ありませんが、多くのトレーラーハウスはその範疇になく、実質的に牽引免許の取得が必要になるということです。法令上では750~2000kg未満のトレーラーを牽引する場合には「牽引小型トレーラー免許(ライトトレーラー免許)」が存在しますが、自動車教習所では教習と試験が行われておらず、自分で車両を用意して運転免許試験場へと持ちこんで試験を受けなければなりません。

 免許が無いから免許を取りに行くのに、どうやって試験場に持ち込めば良いのか……という理不尽な制度は実質的には「絵に書いた餅」であり、一般的には教習所に通い総重量2000kg以上のトレーラーを牽引する「牽引免許」を取得することになります。また、トレーラーハウスを牽引するためには、牽引する車両にヒッチメンバーと呼ばれる牽引用の器具を装備することが必須です。