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スーパーカーブームでは「悪役」の「パンテーラ」は1000万円! 再評価の理由はダラーラが設計したから【スーパーカー列伝04】

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

子どもたちには「ワルな人のスーパーカー」と刷り込まれた

スーパーカーブーム全盛時は、イタリア製のボディにアメリカ製の大排気量エンジンを搭載していたパンテーラが伊米合作車だったことに加え、デ・トマソの創業者であるアレハンドロ・デ・トマソがアルゼンチン出身だったので、一体どこの国のクルマなんだ? と思ってしまう子どもが少なくなかった。

パンテーラ・シリーズは、素のパンテーラ、ラグジュアリーモデルの「パンテーラL」、ハイパフォーマンスモデルの「パンテーラGTS」、グループ4仕様のスタイルを市販車に採用した「パンテーラGT4」、マッチョでワイルドな「パンテーラGT5」、ワイドでありながらもスマートなアピアランスの「パンテーラGT5S」がラインナップされたが、スーパーカーブームのときに注目されていたのはパンテーラGTSで、アメリカンV8エンジン、最高速度280km/h、ギアによるデザイン、ZF製5速ミッションという言葉が子ども向け自動車関連本の誌面に躍っていた。

スーパーカーブームのきっかけとなった池沢早人師さんによる漫画『サーキットの狼』の劇中において、パンテーラは暴走族の“極道連”や汚い手段を用いる“四国の獅子”の愛車であった。そのため、悪い人が乗るスーパーカーという印象が強く、1971年生まれの筆者もパンテーラと最高速度が同じであったマセラティ「ボーラ」はライトサイド(光明面)、パンテーラはダークサイド(暗黒面)だと認識していたものだった。

ダラーラによる設計の良さも再評価され、現在は1000万円オーバー

いまでもクリーブランドと呼ばれるフォード製V型8気筒351エンジンの排気音とトム・チャーダによるエクステリアデザインが大迫力ということもあり、パンテーラはほかのイタリアンスーパーカーと比較するとワルなイメージがあるが、ダラーラによる設計がレーシングカーに近い構成だったこともあり、熱心なマニアを中心として、その魅力が再評価されている。

再評価されたことでパンテーラの国際的な価格も上がっており、2022年3月にアメリカのフロリダ州でRMサザビーズが開催した「FORT LAUDERDALE」オークションでは、1972年式デ・トマソ・パンテーラが9万2400ドル(当時の邦貨換算約1140万円)で落札された。貴重な初期モデルは流通数が少ないため、このプライスなら十分にお買い得だといえるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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