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ハイブリッド車の「Bレンジ」はいつ使う?「バック」ではなく「ブレーキ」…「Bレンジは燃費がいい」の都市伝説は本当?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: AMW

  • ハイブリッド車(一部車種を除く)に用意されているBレンジ
  • Bレンジは、「Brake(ブレーキ)」でいわゆる回生ブレーキを意味している
  • 日産 スカイライン(V37型)では、マニュアルモード付き変速機を備えている
  • Bレンジを使用しつつ、エンジン車と同じくフットブレーキを併用するのが一般的だ
  • マニュアル車ならシフトダウンをするとエンジンブレーキがかかる
  • 下り坂ではBレンジを使用しつつ、エンジン車と同じくフットブレーキを併用するのが一般的だ
  • Bレンジが役立つのは、アクセルを踏まない空走の状態でも、慣性が働いて勝手にスピードが上がってしまう長い下り坂

下り坂を安全に走るための必需品

ハイブリッド車のシフトで見かける「Bレンジ」。通常走行時には使用しないため、気にしない方も多いと思いますが、どんなシチュエーションで使うかご存知でしょうか。今回は「Bレンジ」について紹介をしていきます。

「B」はバックじゃなくてブレーキの意味

まずはシフトに書かれているアルファベットの意味から考えてみたい。「D」がドライブで「R」はリバースといったように、「B」も何かの頭文字であることは間違いない。ハイブリッド車をよく知る人には説明するまでもないが、これは「Brake(ブレーキ)」でいわゆる回生ブレーキを意味している。

市街地を普通に走るのが大半ならあまり使うことはなく、何のためにあるか知らないオーナーも意外と多いようだ。Bレンジが役立つのは、アクセルを踏まない空走の状態でも、慣性が働いて勝手にスピードが上がってしまう長い下り坂。MT車や一般的なAT車ならシフトダウンしてエンジンブレーキがかけられるが、変速ギアを持たない構造のハイブリッド車はそんな定番のテクニックが使えない。そのかわりに設けられたのがBレンジで、下り坂を安全に走る必需品というわけだ。

そのメカニズムを手短かに説明しよう。回生ブレーキとは回転のエネルギーを電力に変換し減速する方法で、Dレンジでもアクセルオフやブレーキを踏めば同じ効果を得られる。とはいえ回生ブレーキだけでの減速はさほど大きくないため、エンジン車と同じくフットブレーキを併用するのが一般的だ。

平坦な道路ならそれでも十分と思われるが、長い下り坂を走るとなれば話は違ってくる。長時間にわたりフットブレーキを使い続けて起きるフェード現象などを防ぐ手段が、MT車やAT車のシフトダウンであり、ハイブリッド車のBレンジと思えば間違いない。

「Bレンジは燃費」がいいは本当?

もうひとつ疑問なのが「Bレンジは燃費がいい」との噂。正解は、正しくもあり間違いでもある、つまり「クルマによって変わる」だ。例えば「プリウス」などトヨタのハイブリッド車は強力なエンジンブレーキを発生させるため、エンジンを空転させる方式を採用しておりDレンジより燃費が低下する可能性がある。

いっぽう日産の「ノート e-POWER」などはブレーキを踏んでも回生による充電を行なわないため、Bレンジを使って減速するエネルギーを電気に変換したほうが燃費はよくなるという理屈だ。

言葉こそ同じBレンジでもメーカーにより、考え方やメカニズムは細かな違いがある。それらを把握したうえで使わないと性能を発揮できない。ちなみに同じ日産のハイブリッド車でも「スカイライン」(V37)は、マニュアルモード付き変速機を備えておりシフトダウンが可能。すべてのハイブリッド車にBレンジが存在するとは限らない、ということもクルマ好きなら覚えておいて損はない豆知識といえるだろう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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