世界限定99台のW16ミストラルが納車スタート
2025年2月19日、ブガッティはW16エンジンを搭載する最後のモデル「W16ミストラル」を米国の顧客に初めて2台納車したと発表しました。これはW16エンジン製造の終わりへのカウントダウンがはじまったこととなります。この2台のW16ミストラルには、どのような特徴があるのでしょうか?
オールブラックのボディが潔く美しい1台
美しいW16ミストラルの最初の2台は、フランス・アルザスのアトリエで手作業で組み立てられ、米国の顧客のもとへ旅立った。納車された1台は、ブラックカーボン仕上げとブガッティ ライトブルースポーツのアクセントが施されている。オールブラックのボディは、圧倒的なパワーと魅惑的な洗練さを醸し出している。比類なきW16エンジンを称え、エンジンカバーはマット仕様に変更している。
インテリアはブガッティ ライトブルースポーツのレザー張りで美しく仕上げられた。アクセントにブラックカーボンとベルーガブラックのステッチが採用され、ユニークなアイデンティティを確固たるものとしている。
星条旗と仏ブランドのルーツを表現
もう1台の純白のW16ミストラルは、洗練された輝きを放っている。ボディはホワイト・グレイシャー仕上げによって輝き、ブルーカーボンのアクセントと、アトランティック・ブルーおよびイタリアン・レッドのアクセントが米国の国旗とフランスのブランドのルーツを表現している。レザーとカーボンをふんだんに使用したインテリアは、エレガントなレイクブルーのステッチが施された。
この2台を結びつけているのは、レンブラント・ブガッティが作成した象徴的な作品「踊る象」で、ギアレバー内に埋め込まれている。これは、アルミニウムの塊から削り出された芸術作品であり、かつて史上最も贅沢で伝説を残した「タイプ41」のボンネットを飾っていた彫刻を想起させ、完璧な配置となっている。

AMWノミカタ
2022年に発表されたW16エンジン搭載の最後のモデル「W16ミストラル」のデリバリーが予定通り開始された。これは残り99基のW16エンジン製造の終わりへのカウントダウンがはじまったこととなる。このW16エンジンの歴史は2005年にヴェイロンに搭載されたことにはじまる。当時発表された最高出力1001psという4桁の馬力に誰もがブガッティは別格という印象を持ったのではないだろうか。
2010年の「ヴェイロン 16.4 スーパースポーツ」で最高出力1200psに、シロンの登場で馬力は1500psまで拡大した。今回搭載される最高出力1600psのエンジンは、2019年に登場した「シロン スーパースポーツ 300+」で初めて搭載され、「チェントディエチ」「ボライド」、そしてW16ミストラルに受け継がれたものである。
この20年で築き上げたブガッティ=W16モデルという強力なアイデンティティを手放すことになるが、「16」という数字は「トゥールビヨン」に搭載される8.3L V型16気筒自然吸気エンジンに残る。2026年からデリバリーされるこのモデルがエットーレ・ブガッティの精神と新たな「16」の歴史を積み重ねてゆく。































































