スーパーカーを通じて子どもや若者に夢と感動を届ける
ところで通勤に貴重なフェラーリ「F40」を利用するなど、数多くの憧れのスーパーカーを所有している木村選手ですが、ただ個人で楽しむだけではなく、慈善福祉活動として子どもや若者にも惜しみなくそれらを披露されているのです。
「子どもや若者の感性ってとても純粋で鋭くて素晴らしいでしょ。美しい絵画や音楽と同じで、彼ら彼女らにスーパーカーの美しさを見てもらえたらいいな。ただそれだけですよ」
とスーパーカー時代に幼少期を過ごし、かつてフェラーリ「テスタロッサ」らに瞳を輝かせて憧れた少年が大人になっての懐の深いお言葉ですね。ちなみにご所有されるスーパーカーのナンバーはすべて777。ラッキーナンバーなどではなく、愛する奥さまとのご結婚記念日なんですって!
木村選手が挑むLM GT3クラスの熾烈な戦い
ル・マン24時間レースに木村選手が参戦されているのはLM GT3というGT3マシンクラス。同クラスにはMotoGP王者のバレンティーノ・ロッシも参戦している強豪揃い。プロとアマチュア、プロを目指す若手ドライバーらの組み合わせのドライバーラインアップは、速さはもちろんのこと、ミスを極力なくしペナルティを受けないようにすることや戦略も勝つためには大きな要素を占めます。
全GT3マシンには木村選手のように走る実業家/ビジネスマンのジェントルマンドライバーが参戦していて、彼らを応援する数多くのファンも存在しています。
「文字どおり、世界最速のジェントルマンと世界最速のブロンズドライバーを決める決戦でもあるだけに、その緊張感みなぎるシチュエーションをすごくエンジョイしています」
と木村選手。(世界自動車連盟FIAが実績や戦績、年齢によってドライバーのカテゴライズをする中でジェントルマンドライバーはブロンズに位置付けされ、他にシルバー・ゴールド・プラチナにカテゴライズされます)
ジェントルマンドライバーの過酷な両立生活
また、ル・マン24時間レースの舞台は、1年に1度だけ一般的なサルトサーキットとル・マン市内の公道を組み合わせたレイアウトが採用されるのですが、そこを走ることができるのは、まさにル・マン24時間レースに参戦するドライバーのみ。

地元フランス人ドライバーであっても、ル・マン24時間レースでしかそこを走ることができません。世界の数多くのレースに出場されている木村選手ですが、このル・マン24時間レースのコースレイアウトが一番のお得意なんですって。
ル・マンを走る実業家/ビジネスマンのジェントルマンドライバーの仲間も多い木村選手ですが、
「私も含めてここで戦う仲間は、仕事とレースを50:50でこなしているのではなく、両方をマキシムの状態で取り組んでいるのではないでしょうか」
とおっしゃり、イベント満載のル・マン24時間レースウィークの超過密スケジュールのなかでも、少しの時間を活用して本業のお仕事も同時にこなしておられるというなんともタフな状況にびっくりしましたが、ご本人は涼しい顔で「いつものことですよ」と。もちろん、ル・マンのレース後に羽田空港にご到着後はそのままオフィスへ直行なさると伺い、その超人ぶりにただただリスペクト。
国内外で輝く木村武史選手の今後に期待
最後に今後の目標を伺ったところ、
「2025年以降も継続して連続参戦できれば良いですが、例え途切れ途切れになったとしてもル・マンには可能な限り参戦し続けたいと願っていますし、最大の目標はLM GT3クラス優勝をすることです」
と語ってくださいました。そして、
「レースをしていると、プッシュはしたい/しなければならないけど、それをやり過ぎてトラックリミット(コース外走行)のペナルティを取られないような会社経営を心掛けるようになりますね。レースってファンドであり戦略が重要ですが、会社経営は時間軸が長いので1分で物事を決断したり、1秒以内に判断を要するような案件はありませんので、ある意味、レースに比べたら会社経営の方が楽かもしれませんね」
とレーシングドライバーらしさを会社経営に例えてくださいました。2025年は木村選手のCARGUY MKS RACINGはスーパーGTにも再び参戦しているので、全戦ではありませんが木村選手もステアリングを担っています。益々の国内外の活躍から目が離せませんね。






































