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アメリカ放浪の旅で訪れた知る人ぞ知る「隠れた名博物館」

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)

  • フォード モデルT スピードスター:フォードのT型はモータリゼーションを広く普及させた乗用モデルが有名だが、スポーツカーとも言うべきモデルとして、ボートテール・スタイルがよく似合うスピードスターもラインナップしていた
  • フォード モデルA ステーションワゴン:乗用モデルが有名なフォードのA型だが、ラインナップの中にはこんなお洒落なステーションワゴンも用意されていた
  • パッカード タウンカー:20世紀初頭に創業し、世界を代表する名門高級車メーカーとして知られたパッカード。 タウン・カーはそのトップグレードのひとつ。後にリンカーンなどでも使用されるが、 こちらが本家だ
  • シボレー コルベット C1:アメリカ初の本格スポーツカーがシボレー・コルベット。スチール・フレームにFRPパネルを貼り付けた先進的なパッケージに直6エンジンを搭載する。やがてV8パワーにコンバートされていく
  • リンカーン コンチネンタル 4ドア コンバーチブル:リンカーン・コンチネンタルは、フォードがリリースしてきたフルサイズ、およびミッ ドサイズの高級乗用車。この1963年式4ドアコンバーティブルは、J.F.ケネデイ大統領が使用していた個体だ
  • キャデラック フリートウッド:高級車として知られるキャデラックのフルサイズ。V8エンジンを搭載するトップモデ ルがシリーズ75。言ってしまえば4ドアセダンだが、この長大なテールがその存在感を アピールする
  • シボレー コルベット C8:シボレー・コルベットの最新モデル(現行モデル)C8。C7からの最大の変更点はフロント・エンジンからミッド・エンジンにコンバートされたこと。6.2LのV8を搭載する
  • シャパラル 2:シャパラル・カーズの処女作となった1963年式のCan-Amカーがシャパラル2(2Aとも) 。アルミで補強した強化プラスチック製モノコックにシボレーのV8を搭載。同年秋に実戦デビューを果たしている
  • シャパラル 2D:シャパラル・カーズとして初のグループ6カーが1966年式の2D。2Aをベースにクローズドクーペとし、同年のFIA国際スポーツカー選手権に参戦しニュルブルクリンク1000km で優勝を飾っている
  • シャパラル 2F:2Eの発展モデルとして1966年に登場したFIA国際スポーツカー選手権用のグループ6カーが2F。ブランズハッチで開催されたBOAC500(6時間レース)で唯一の勝利を飾っている
  • シャパラル 2H:それまでのデザインを一新した1969年のCan-Am用マシンが2H。ドラッグの低減を目指し、 より低くより細くしたウエッジシェイプが最大の特徴。ただし、低ドラッグ=低ダウン フォースで結果には結び付かず
  • シャパラル 2J:奇抜なアイデア満載だったシャパラル製レーシングカーのんかでも、最も奇抜なクルマが1970年のCan-Am用マシン2Jだ。車体後部のファンを回してダウンフォースを生み出すア イデアは秀逸だった
  • シャパラル 2K:シャパラル初のフォーミュラが1979年CART用の2K。ロータスが先鞭をつけたグランド・エ フェクト理論を導入。翌1980年にはインディ500ではジョニー・ラザフォードが優勝し、 チャンピオンに輝いている
  • マーモン クーペ モデル68:V型16気筒エンジンの導入など高級車市場にモデルを展開していたマーモン・オートモ ビル社の比較的小型で8気筒エンジンを搭載していたシリーズがモデル68
  • シャパラル 2E:リアウイングを高く掲げたスタイルが大きな特徴の1966年式Can-Amカーが2E。ウイングを ボデイ本体から離して高くマウントすることで大きなダウンフォースを生む、とレース 界に広く知らしめた
  • デロリアン DMC 12:映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ』に登場するタイムマシンのベースとなったことで有名になったデロリアン。ここでは本来のスポーツカーとして展示されていて好印象

砂漠の中に突然現れたオールドファン垂涎の博物館

夏に丸々1カ月かけて訪ね歩いた(走った?)北米の博物館を紹介するシリーズ。今回は、石油博物館(Petroleum Museum – Chaparral Cars)と、ぺティ・ジーン自動車博物館(The Museum of Automobiles in Petit Jean)を取り上げます。

シャパラル・ファン必見!石油博物館の正体とは

石油博物館(Petroleum Museum – Chaparral Cars)は今回の取材ツアーにおける大きな目玉のひとつで、ネーミングからは想像しにくいのだが、英文表記のサブネームにある“Chaparral Cars”からは、旧くからのレースファンならピンときたはずだ。

1960年代から1970年代初めにかけてCan-AmレースやFIAのメーカー選手権、そして1970年代の終わりにはCARTレースにも参戦し、1980年のインディ500で優勝。同年のシリーズチャンピオンにも輝いている、あのシャパラルのマシンに出会えるとあってワクワク感が止まらない。前日のニューメキシコ・ルート66博物館(New Mexico Route 66 Museum)から360マイル(約580km)。ツアー出発地である西海岸のロサンゼルスから1600マイル(約2560km)を5日かけて走って到着したのだが、疲れより期待感のほうが高く、到着したときには感激至極というあり様だった。

感激し過ぎて建物の全景を撮り忘れるというミスもあったが、まるで砂漠の中に突然現れたオアシスのような雰囲気で、その一角に目指す石油博物館のシャパラル・コーナーが設けられていた。

夢のガレージがそこに!歴代マシンがズラリ

コーナーの壁には、高いところにCARTマシンのシャパラル2K・コスワースDFXが飾られていて、なんとかサイドビューのカットを撮ることはできたが、ノーズやテールは見上げるカットしか撮れず。またボディ下面も空力を追求したパネルで覆われているから、サスペンション等の機械部分は確認することもできない。少しフラストレーションを感じながらシャパラル・コーナーに一歩足を踏み入れた途端、そんな不満は吹っ飛んだ。

最初のオリジナルマシン、1963年のシャパラル2(2Aとも呼ばれる)から、FIAの国際スポーツカー選手権に参戦したクローズドボディの2D、リアウイングを高く掲げた2E、空気抵抗を極力抑えた2H、ファンで空気を排出しダウンフォースを生み出す2Jなど、昔、雑誌で見かけたシャパラルの多くが一望でき、一瞬にしてモチベーションはMAXとなったのだ。

個人的に最高に刺さったのは、1966年のFIA国際スポーツカー選手権に参戦し、ニュルブルクリンク1000kmで優勝した2D。兄が購読していた自動車雑誌では見た覚えがあったが、実際に出会ったのはこれが初めてのことだったから、現物を見てさらに想いを深くすることになったわけだ。

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