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雨のニュルをスリックで攻めるような薄氷の「 ホンダEVシフト」の危うさと今後の立て直し【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 本田技研工業(HONDA)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ホンダ 0シリーズ コンセプト: JMSで披露された次世代モデル。「Thin, Light, and Wise」という開発テーマを掲げ、重くて分厚いEVの常識を覆す挑戦が込められています
  • ホンダ 0シリーズ コンセプト: 次世代EVと三部社長。木下氏が指摘する「雨のニュルをスリックで攻める」ような急進的な戦略からいかに立て直すのか、その手腕に世界が注目しています
  • ホンダ クラリティ フューエル セル: 2040年の完全ゼロエミッション化を見据えたFCEV。じつは水素を充填すればわずか3分で約750kmも走れる、究極のエコカーとしての実力を秘めています
  • ホンダ N-ONE e:: 名車N360をモチーフにした愛らしい丸目ライトやレトロなルックスはそのままに、最新のEVへと進化。街乗りに最適な身近な電動車として期待を集めています
  • ホンダ N-ONE e:: 踏ん張りの効いた特徴的なリアビュー。床下に敷き詰めた重いバッテリーのおかげで重心が下がり、じつはガソリン車以上にスポーティで安定した走りが楽しめます
  • ホンダ N-ONE e:: 無駄を削ぎ落としたミニマルで上質なインテリア。EVならではのスムースな加速と高い静粛性が加わることで、軽自動車の枠を超えた快適なドライブを約束します
  • アキュラ RSX プロトタイプ: 北米市場向けのアキュラ最新電動モデル。名車NSXなどで培った空力技術が注ぎ込まれ、EV特有の空気抵抗を極限まで減らす流麗なデザインが特徴です
  • アキュラ RSX プロトタイプ: 空力を極めた後ろ姿。排気管がないEVの特性を活かし、床下のディフューザーを大型化することで、スポーツカー顔負けのダウンフォースを生み出す設計になっています
  • アキュラ RSX プロトタイプ: 美しいサイドビュー。重いバッテリーを床下に配置するEVの構造は、じつは重心が低くなり、コーナリング性能が飛躍的に向上するという走りの利点があるのです
  • アキュラ RSX プロトタイプ: 走りを予感させるフロント。エンジン冷却用の大きなグリルが不要なため、デザイナーがより自由で空力に優れた形状を描けるのがEVのもっとも大きな特徴です
  • ホンダ 0シリーズ コンセプト: ホンダの次世代EV群。じつは新しい「Hマーク」エンブレムが採用されており、原点回帰と未来への広がりを示すデザインへと密かにリニューアルされているのもポイントです
  • 巨額投資が行われる新工場のイメージ。じつはEVの生産はエンジン車に比べて部品点数が約3分の1に減るため、工場内のラインが劇的に短くシンプルな構造になるのです
  • ホンダ 0シリーズ コンセプト: 電動化戦略を語る三部社長。当初は2040年までに新車をすべてEVと燃料電池車にするという、日本のメーカーとしてもっとも野心的な目標を掲げて業界を驚かせました

急激なEVシフト戦略の見直し! 上場後初の巨額赤字から再起を図るための次なる一手の模索

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のお題は「ホンダ初の最終赤字をどう見る?」です。三部社長就任以降に掲げた急進的なEVシフト戦略が壁に直面し、開発凍結など軌道修正を迫られています。

フルスロットルで最終コーナーに突っ込んだ巨大メーカーは本当にコースに残る事ができるのか!?

ホンダは3月12日、2027年3月期までに最大2兆5000億円の損失が発生する見通しを発表しました。さらに2026年3月期の連結最終損益は最大6900億円の赤字になるとも公表しています。株式上場以来、初めての最終赤字転落です。

まるでフルスロットルのまま最終コーナーに突っ込み、ブレーキングポイントを見誤ったレーシングカーのような出来事だと思いました。

日本の基幹産業を長年牽引してきた巨大メーカーですら、ラインを外せばコースアウトする。それが100年に一度の変革期という名の難コースの恐ろしさですね。

巨大企業は巨大な客船に似ています。方向転換には時間がかかる。だからこそ舵を切る角度を誤ると、氷山に気づいた時にはもう遅い。今回のホンダの発表は、そんな現実を突きつけたように感じました。

決勝レースに出場する準備が整っていない状況…
まるで雨のニュルをスリックで走るEV戦略強行!

もっとも、この苦境を予想していたアナリストが少なくなかったのも事実です。三部社長就任以降、ホンダは急進的ともいえるEVシフトを掲げてきました。

2040年までに新車をすべてEVまたは燃料電池車にするという構想は、未来を先取りした壮大な戦略でしたが、その進め方は、まるで雨のニュルブルクリンクをスリックタイヤで攻めるような危うさをはらんでいるように感じたのです。

ホンダには「エンジンのホンダ」として培ってきた血脈があります。NSXやS2000といった名車はもちろん、F1での栄光の歴史は、単なる勝利以上の意味を持っていました。技術者が魂を削り、ドライバーが命を賭けて積み重ねた物語です。その象徴ともいえる内燃機関を捨てるという決断は、武士が自ら刀を置くような覚悟だったのかもしれません。

時代はサステナブルを合言葉に、ある種のEV礼賛の空気に包まれていました。脱炭素という正義の名のもと、内燃機関はまるで過去の遺物のように扱われました。しかし、冷静に考えればインフラ整備の進み具合も、燃料電池技術の成熟度も、まだ「決勝レースに出場する準備が整った」とは言い難い状況でした。

多額の補助金を投入してもシェアが1〜2%にとどまる日本市場で、急激な全面転換を図るのは、まるでウォームアップラップのまま優勝を狙うようなものだったのです。

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