自動車用シートの生みの親「RECARO」の守るべき信念と飽くなき挑戦

自動車用シートの生みの親「RECARO」の守るべき信念と飽くなき挑戦

レカロの歴史はシートの進化
世界が認める性能の誕生秘話

意のままに操る。日産・スカイラインGT-Rの誕生から一環して貫いてきた考え方だ。
それはクルマと一体化し、何のストレスも感じないこと。街乗りならばノーマルでも構わない。しかし、気持ちのいいワインディング、たまに行くサーキット。一体感という意味で真っ先に不満を持つのは、もしかしたらシートかもしれない。そしてわれわれがシート交換を考えたとき、即座に頭を過ぎるブランドのひとつが「レカロ(RECARO)」なのではないだろうか。
第2世代GT-Rの誕生時から、長らくファンに愛されてきた”SP-G”や”SR-3″。それはなぜか。今回は「レカロ」について深く学んでみたい。RECARO、レカロ、シート、RMS、性能、PRO RACER RMS、2600A、プロレーサー

信念は曲げず作る、ストリート最強という存在

ドイツ生まれである「レカロ」の歴史は長く、1906年に創業。
最初は欧州自動車メーカー向けに車体を作る、いわゆるコーチビルダーだった。そこで出会ったのがポルシェの創業者であるフェルディナント・ポルシェ博士であり、戦後、自動車メーカ ーがボディも作るという時代となり、レカロはポルシェにボディ工場を譲ることとなる。そして「レカロ」は世界初のシート専門メーカーとして新たな道を歩むことになった。

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1906年の創業から’63年にポルシェに車体製造会社を売却 するまでレカロはコーチビルダーとして名を馳せていた

当時の自動車用シートと言えば、ボディに板が装着されてクッションが置かれているような状態。
つまり馬車の発想だ。その概念を打ち破り、同時にスポーツを楽しみたいという方向性が当時からあった。リクライニングできるシートとフルバケットという発想は、「レカロ」においてほぼ同時に完成していたのだ。つまり、「レカロ」は自動車用シートの生みの親。誕生から今に至るまで、身体に負担を掛けないという考えは揺らいだことがない。

右が1963年にポルシェ356に採用されたシート。左が ’65年にレカロが作った世界初のスポーツシート。フルバケットとセミバケットの元祖と言えるものだ。

“レカロのシートは腰を伸ばすイメージ”という声を聞く。
正確には人間工学に基づいて、骨盤を起こして人間が一番ラクな姿勢を維持するのだ。それはR32型スカイラインGT-Rが発売されたころに一世を風靡したレカロ”SP-G”や”SR-3″でも変わらない。ということは、「レカロ」のシートは進化していないのか?
「ある意味ではSP-GやSR-3の時代で完成形だったのかもしれません。それ以降は法規的に適合させていったわけですから。考え方、作り方については当時と変わりません」とは、マーケティングユニットマネージャーの前口光宏氏。

クルマに安全性が求められれば、シートは人間を守るという使命が与えられる。その次には軽量化が求められる。自動車メーカの流れと共に、シートは時代に合わせて対応していくというわけだ。すなわち、「良いシート」という概念は、その当時からレカロは理解しており完成させていたということ。
「当時のシートでレカロの乗り心地を出すために使っていた象徴的なパーツは、現在でも採用しています。ひとつは”ピレリーマット”と呼ばれるサスペンションラバーマット。いまの技術においてもそれ以上のものは出ないのです。最近はコストダウンや使えない物質が増えるなどの制限もあります。当時のシートのほうが単体としては優れていたという一面もあるんですね」。

では、逆に時代と共に変わっていったことは何か。安全の次に必要とされた軽量化について、「レカロ」はモノコック構造なので他のブランドよりも重い。モノコックであることは譲れないため、軽量化のために素材を変更。フレームは鉄を使い、その他に樹脂を用いた。さらに軽量化は進み、「スポーツスター」のころには樹脂オンリーに。デザインの自由度が上がり、クッション材であるウレタンも薄くすることが可能となったわけだ。スポーツスター以前がクッションの中に埋まる感覚ならば、クッションの上に座るという感覚。あくまでシェル形状によって人間の動きを抑えるのである。

鉄のフレームを使い、全体は樹脂で作られたのが”AM19″という開発コードで作られたもの。スポーツJCやスタイルJCなどが相当する。鉄と樹脂を合わせて使うことで軽量化。
開発コード”AM190″はAM19の次に誕生したモデルで、樹脂オンリーとなった。デザインの自由度、ウレタンの薄型化などメリットは大きく、AM190の考え方は”RMS”にも踏襲された。

 

日本発の革新的「RMS」の背景にあるもの

これは、新たに誕生した『プロレーサーRMS』にも通じる考え方。クッションで身体を支えるのではなく、 シェル形状でホールドする。通常はシートのセルを作るときには強度や剛性を優先。人間工学のラインと剛性・強度のラインは異なるが、”RMS”においてはどちらも犠牲にしていない。
「開発に2年、構想から考えると5年の年月が掛かっています。ストリート最強を作りたいと。86&BRZレースを見たときに、シートのポジションがスペースの問題で取りにくいことがわかりました」と前口氏。
「日本ではシートを寝かせたい、低いポジションにしたいという声が多いのですが、そうした要望に応えな がら”骨盤を起こす”、というレカロの考え方は曲げない形状となっています。骨盤と足と背骨の位置は変え ず、全体的に後方に倒れ込んでいる。そのぶん頭が上を向いてしまうので、ヘッド部で4度中折れさせているのです」。RECARO、レカロ、シート、RMS、性能、PRO RACER RMS、2600A、プロレーサー

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『プロレーサーRMS』には、オートクレープのカーボンファイバーシェルを使った2600A(48万6000円)と、グラスファイバーモデルでコストパフォーマンス重視の2700G(15万6600円)をラインアップ。背面に穴が開いているが、これまでにない高剛性を保っている。

日本にいるレカロユーザーの声に応え、日本で開発を進めたのが”RMS”。それは本国のドイツでも話題になり、アメリカといった全世界で注目されている。
「RMSは、腰回りの剛性、3次元の剛性を感じていただきたいですね。そうすればクルマの動きが理解でき ると思います。ただ硬いだけではなく、必要な捻れもある。体型の違いを気にする方もいますが、骨盤の位置を中心とした、支えが必要な部分はあまり差はないのです」。
走りの一体感を作り出す。「レカロ」は日本発信で、今までにない最強のシートを作り出したのである。

営業グループ
マーケティングユニット マネージャー 前口光宏氏
RECARO、レカロ、シート、RMS、性能、PRO RACER RMS、2600A、プロレーサー『プロレーサーRMS』の商品企画を担当。プロドライバーに開発に携わってもらうなど、ベストを求めて尽力した人物だ。

 

レカロ TEL0800-919-5881
http://www.club.recaro-automotive.jp


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