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美女2人が全日本ラリーで活躍中!3戦連続表彰台を獲得できたワケ

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TEXT: 山本晋也  PHOTO: 山本晋也

コ・ドライバーは元アイドルの梅本まどかサン

 SKE48の元メンバーで、オートバイやクルマ好きの梅本まどかさんが、2019年から全日本ラリーに出場しているのをご存知だろうか。2018年は入門カテゴリーの「ラリーチャレンジ」でクラスチャンピオンを獲得するなど実績を重ね、将来的にはWRC出場を目指して活動している。とはいえ、梅本さんはコ・ドライバー。SS(スペシャルステージ)ではペースノートを読み上げるほか、ラリーにおいてドライバーの気持ちをのせ、コントロールする立場だ。もともとチアリーダーなどが好きで、応援するのが得意という梅本さんにとっては、コ・ドライバーというのは性に合っているのだという。

 その梅本さん、全日本ラリーのデビュー戦となった新城ラリー(2019年の第2戦)ではJN-3クラスのトヨタ86でコ・ドライバーを務めていたが、第4戦 久万高原ラリーからは、ウェルパインモータースポーツが走らせるJN-6クラスのヴィッツ「DL WPMS Vitz CVT」にスイッチしている。もともと、梅本さんはこの「DL WPMS Vitz CVT」でコ・ドライバーを務める予定だったが、デビュー戦はベテランドライバーの川名 賢選手と組むことで経験を積んだのだ(なお、第3戦はケガによりキャンセルだった)。

 なぜ、こうした変則的な参戦をしたのかといえば、「DL WPMS Vitz CVT」のドライバーである板倉麻美さんは今シーズンが全日本ラリーに初参戦のため。しかもラリー経験どころかモータースポーツの経験もほとんどないという。そのために、ようやく第4戦から本来のペアとして梅本さんと参戦することになったわけだ。ところで、WRCに参戦経験のあるウェルパインモータースポーツのチーム監督、松井 悠 氏がなぜ新人ドライバーを抜擢したのか。

 その理由はリザルトが明確に示している。板倉さんの実質的なラリーデビューといえる新城ラリーでのリザルトは3位。その後、唐津(ツール・ド・九州)と久万高原では連続2位と、3戦連続で表彰台にのぼっているのだ。久万高原では最終SSでクラストップタイムを刻むなど、安定して完走すると同時に、一発の速さも見せている。さらにいえばJN-6クラスは小排気量マシンのクラスで、女性ドライバーが半数近いのも事実だが、レディース限定というわけではない。性差に関係ない速さがある。

 まさにラリー界に新星登場というわけだ。もともと大学時代に自動車部に入っていたという板倉さんだが、自動車部はドライブを楽しむサークルと勘違いして入部したというほどで、モータースポーツに興味があったわけではなかったのだという。卒業後も計時というオフィシャル業務としてモータースポーツに関わっていたが自分が参加することはなかった。

ドリキン土屋圭市さんも絶賛したセンスのよさ

 その一方で、板倉さんは走る魅力にも取りつかれていた。愛車のスバル・インプレッサWRXで千葉県の茂原ツインサーキットを走り込み、その速さは地元では有名になっていった。ある雑誌のDVDでは茂原ツインサーキットで速いドライバーとして紹介されたこともあるというほどだ。

 そのロケでは、あのドリキンこと土屋圭市さんを助手席に乗せてホームコースである茂原を激走、土屋さんが認めるセンスの良さを見せた。そして、ウェルパインモータースポーツの松井監督が、そのDVDを見たことがラリー参戦のきっかけとなった。知人を通して、板倉さんとコンタクトを取り、板倉さんを林道コースなどでテスト、そのセンスやテクニックを認めて、全日本ラリードライバーとして抜擢することになったのだ。

モータースポーツの表舞台に出てくるのは初めて

 こうして、初めてモータースポーツの表舞台でドライバーとして活動するようになった板倉さんだが、いきなりの全日本ラリー参戦ということで「本当に自分が出ていいものか迷いました」という。もちろん、悩んだというが「こんなチャンスは二度とないと思い、チャレンジを決めた」という。サーキットで走り込んできたこともあり得意なのはターマック(舗装路)。本人も「ターマックで速いドライバーと思ってもらいたい」とアピールする。

 運転免許を取って、初めてのクルマがプジョー206(かつてWRCに参戦していた)だったこともあってWRCへは昔から憧れがあったという板倉さん。ラリーを本格的にはじめて半年ほどだが、将来的にはWRCに出てみたいと夢は広がっている。

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