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SUPER GT 2019 Rd.3 『SUZUKA GT 300km RACE』タイヤ選択が勝負を左右した決勝レポート

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 成瀬陽介、遠藤樹弥

レクサス勢が表彰台を独占

 2019 AUTOBACS SUPER GT第3戦『SUZUKA GT 300km RACE』の決勝が、5月26日、鈴鹿サーキットで開催された。これまで2戦は天候に翻弄される展開となったが、今回は今季初のドライコンディションで戦われたレースとなった。

 気温/路面温度ともに上昇する中、GT500クラスはポールポジションからスタートした「No.36 au TOM’S LC500」が終始優位なレースを展開して今季初優勝。「No.37 KeePer TOM’S LC500)」と「No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500」がこれに続き、LEXUS LC500勢が表彰台を独占した。

 一方GT300クラスではポールからスタートし、タイヤ無交換作戦を貫いた「No.25 HOPPY 86 MC」を、タイヤ4本交換で追い上げた「No.96 K-tunes RC F GT3」が終盤に逆転。開幕戦に続いて今季2勝目を飾った。

【GT500クラス】

 好天に恵まれ、気温/路面温度がぐんぐん上昇。予選では路面温度が50℃を超えるほどで翌日も高い路温が予想されていた。予選ではブリヂストン・ユーザーがトップ5を占めたが、その中でもLEXUS勢とGT-Rはソフト目のコンパウンドを選択。

 一方、翌日も同じようなコンディションになると予想したか、NSX勢はハード目のものを選択していた。そのタイヤ選択も影響したか、No.36 au TOM’S LC500(中嶋一貴/関口雄飛)とNo.37 KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ)のトムス勢がフロントローを独占。No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)を挟んでNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/ジェームス・ロシター)とNo.6 WAKO’S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)が続くグリッドとなった。

 決勝ではポールからスタートした36号車が飛び出し、37号車、8号車、12号車、6号車と続く展開となる。スタート時の路温は40℃ほどで、すぐに30℃台へと低下。ソフト目のタイヤを選んでいたLEXUS勢には願ってもないコンディションとなった。実際、ハード目を選んでいた8号車は12号車や6号車にかわされ、何とか上位グループには留まっていたものの、上位4台には水をあけられてしまっていた。

 17周目の130RでNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がトラブルからクラッシュ。ドライブしていたクインタレッリは事なきを得たが、その場でリタイア。そして23号車回収のためセーフティカー(SC)が導入されることになる。

 SUPER GTではSC導入時のピットインは禁止されており、23周目にSCがピットロードに向かうと同時に、上位陣では36号車と6号車、8号車が、さらに翌周には37号車と12号車もルーティンピットを行っている。このピットインのタイミングで12号車が後退。トップ争いは4台に絞られてしまう。

 その中でも36号車は快調で、一時は6号車の追い上げを許したものの、GT300のバックマーカーを処理するタイミングで少し差が開くと、その後はグングン引き離していく。置いていかれた格好の6号車は、その後は37号車とバトルを展開していたが、最終的には37号車にかわされてしまい3位でチェッカー。LEXUS LC500勢の3台が表彰台を独占することになる。4位の8号車を挟んで、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)、No.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明)、No.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/坪井翔)が続き、LEXUS勢の好調さが印象に残る結果となった。


【GT300クラス】

 ポールポジションからスタートしたNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/佐藤公哉)が、まずはリードを奪う。そしてこれを2番手スタートのNo.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/阪口晴南)が追いかける展開となるが、スタート直後こそ25号車のリードが拡がっていったものの、その後は一進一退を繰り返しながらレースは進んでいった。そしてSCの導入により、25号車と96号車にNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)、No.10 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/石川京侍)、No.5 ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号(坂口夏月/平木湧也)が続くオーダーでリスタートを迎えることに
なった。


 SC明けでは先ず25号車がルーティンのピットインを行い、タイヤ無交換でピットアウト。その後も10号車、96号車、61号車の順に上位陣がピットインを行い、全車がルーティンのピットインを行った時点では再び25号車がトップに立っていた。

 しかし無交換だったタイヤが音を上げたか、25号車のペースは次第に低下してしまい、96号車との間隔はみるみる詰まっていく。そして42周目に25号車の背後に迫っていった96号車は、様子を見ることもなく一気にこれをパス。トップに立った96号車は、その後もペースを緩めることなく快走を続け、開幕戦以来となる今季2勝目を飾った。96号車にかわされた25号車は、何とかポジションをキープしていたが最終ラップのシケインで堪え切れずオーバーラン。5号車と61号車、そしてNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)にもかわされてしまい、5位でレースを終えることになった。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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