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アメリカの人気レース「ナスカー」をグッドイヤーがフルサポートする意義とは

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

タイヤ開発の原点となる条件が揃っている

 アメリカで人気のレース「ナスカー」。ここにタイヤを供給するのがグッドイヤーだ。1レースウィークには、3000本のタイヤをサーキットに持ち込んでいる。テレビとかへの露出もあることから、マーケティング、そしてブランディングのためというのが大きな目的の一つだ。しかし、その原点は、自社が持っている技術力をアピールするというところだという。

 ナスカーへのタイヤ提供には、技術的観点から新製品の開発に役立つところが多い。とくに市販のトラック用タイヤや飛行機用タイヤにはレースタイヤに似たものがあって、ナスカーで培った技術はそういったところにも応用できるという側面もある。具体的には、レースでは走行中にタイヤの温度は上昇し、カーブで掛かる横Gもすごい。車体の下面に発生する熱は、市販車のそれとはレベルが違う。

 だから「このナスカーというレースの現場が自分たちの技術力を証明できる場所になっている」とモータースポーツ最高責任者グレッグ・スタッカー氏は語る。

 現在ナスカーにタイヤを提供しているのはグッドイヤー一社のみ。「ナスカーとの関係は良好です。ここ十数年来、非常にいい関係性を築いていて、ナスカーはグッドイヤー抜きにしては何も決めないし、我々もナスカー抜きでは何も決めない。だからこそいい関係性を保っています」とスタッカー氏。

 ナスカーのタイヤは、パンク対策としてホイールに2つのエアバルブが設けられている。つまり通常のタイヤの中にもう一つチューブタイヤが入っている、そんな感じだ。

 もちろん他のシリーズ同様、タイヤの使用本数制限がありバーコードで管理されている。もちろんマシンの接触やクラッシュなどでこのバーコードも見えなくなる可能性もあるのだが、実はタイヤ内部にICチップも同時に埋め込まれており個別の認識が可能となっている。

「ナスカーは、現在(空力性能の向上から)ダウンフォースが増えていっている状況で、7世代目のボディ『Gen7』は2021年から導入予定だが、そこでタイヤサイズはついに18インチになる。だからそれに向けて、ナスカー、チームとも話し合いをしながらGen7に対してどういったタイヤが必要か、というのを検討しているところです」

「グッドイヤーは今後もサポートを継続していきますし、グッドイヤー・タイヤがナスカーから消えることはないと思いますよ。開催時には必ず周辺を飛行するグッドイヤーのロゴの入った飛行船がナスカーの場にやってこなくなる、なんてこともないと思う。我々としてはできるだけ長く続けたいと思っています」

 最後にスタッカー氏はナスカー用のタイヤの開発の難しさについても答えてくれた。

「もちろんF1にしろインディカーにしろ、それなりにスピードもあるしダウンフォースもある。けれども車体が絶対的に軽い。それに比べナスカーは、車体はかなり重い。さらにダウンフォースが強くなってきている。それなのにタイヤはナロー(細い)。4本のタイヤへの負荷はすごく、それだけ開発は難しくなっています。それは我々にとってチャレンジングな開発。同じマイルのコースでも全部性質が異なっていて、ちょっとずつパッケージが違う」と語る。近々新たなナスカー用タイヤが発表される。その内容にも注目したい。

 

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