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電気自動車のバッテリーを劣化させる急速充電の常用!電池の寿命を延ばす充電法とは?

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: 日産、Auto Messse Web編集部

急速充電より普通充電がベター

 このようなリチウムイオンバッテリーの特性から、EV特有の充電方法が生まれる。すなわち、電気を使い切ってから急速充電器で一気に充電するよりも、行った先で駐車したら、普通充電器で少しずつ継ぎ足し充電をした方がよりバッテリーを長持ちさせることができるのだ。また、少しずつ充電することで、過充電などによる発火の危険性も小さくすることができる。

 近年、全国で設置が進んでいる急速充電器は、ガソリンがなくなったら満タンにするというエンジン車の使い方をそのまま転換したものといえるだろう。ところが、実はこの方式では、リチウムイオンバッテリーの特性に合っているとは言えないのだ。

 もちろん、普通充電器は急速タイプに比べ充電時間は長くなるが、立ち寄り先となる仕事場、スーパーマーケット、ショッピングモール、レストラン、土産物屋、道の駅など、数時間滞在するような場所へもれなく設置すればいい。用事を済ませている間に充電することで、リチウムイオンバッテリーに大きな負担を掛けず、なおかつ充電のための時間を別に割く必要もなくなる。

 普通充電器を使用する場合、当然ながら数十分や数時間の普通充電では満充電にならない。しかし、200V30Aで1時間充電すれば6000Wh(6kWh)の充電ができるわけで、日産リーフの標準車の場合で40km近く走れることになる。

 2時間買い物をしたり食事をしている間に充電すれば、その2倍の距離を走れる。また、職場などで充電する場合なら、8時間も仕事をすれば充電量は4万8000Wh(48kWh)とほぼ満充電となり、300km以上も走れることになる。

 

家庭での充電もあえて80%に

 家庭で充電する場合も、80%ほどの充電にとどめておく設定が可能だ。そして遠出するときだけ満充電に設定しなおせばよい。ガソリン車で、普段はあまり残量を気に掛けなくても、遠出の前にはガソリンスタンドに立ち寄って満タンにする発想と同じだ。

 また満充電にした場合も、そのまま置いておくのではなく、家庭で使う電化製品の電力をEVから賄えば、車載のリチウムイオンバッテリーの劣化を抑えられることになる。ちなみに、近年はEVの電気を家庭用電源に供給できるV2H機器を搭載する家庭用充電スタンドなども登場しており、次第にその数を増してきている。

 

 EVの充電は、エンジン車の給油と同じ尺度で考えるのではなく、その特徴を活かした使い方をすることが、資源を無駄にせず、バッテリーを長持ちさせるコツだ。これは、まさにスマートフォンと同様。こまめに充電し、電気を使い切ることなく、また常に満充電状態にしておかないのがリチウムイオンバッテリーの賢い利用法なのだ。

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