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電気自動車やハイブリッド車が浸水・冠水すると? 感電の危険性は?

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TEXT: 国沢光宏

正しく使えば感電・発火の心配なし

「ハイブリッド(HV)車や電気自動車(EV)は高圧電気を使っている。水害にあった車両には近づくな」という都市伝説がある。なるほど、ハイブリッド車も電気自動車も直流200V以上の大容量電池を搭載しており、万一ショートしたらかなりの確率で死亡すると考えていい。短絡的に判断すれば、危険だと判断してもおかしくないのだ。

 一方、今まで少なからぬ数のハイブリッド車の水没事案を見つけられる。例えば東日本大地震の際は、津波で多数のプリウスが流された(エスティマハイブリッドも)。津波に巻き込まれたプリウスを見たけれど、水没どころではない。車体全体にダメージを受けており、しかも通電しやすい海水だ。都市伝説どおりならば、多数の火災を引き起こしただろう。

 ところがプリウスに代表されるハイブリッド車の火災や感電事故は一件も確認されていない。その他、世界規模で見てもハイブリッド車や日本メーカーの電気自動車による感電事故なし(燃えた実績あるのはテスラとフィスカー、中国製電気自動車のみ)。

なぜハイブリッド車や電気自動車は安全なのか

 最初に「なぜ安全なのか」を紹介したい。ハイブリッド車や電気自動車など高圧大容量電池を搭載している車両にはショートや漏電を検知した瞬間、電気をシャットダウンする高性能のブレーカーが必ず装備されている。家庭などについているブレーカーより圧倒的にレスポンスよく、正確。ショートと同時にシャットダウンされると考えていい。

 これで一切電気は流れない。さらに電池本体も衝撃や水への強いプロテクト性能を持たせており、津波に流されて車体がゴロゴロ転がったり、高速道路で衝突事故を起こした程度ならば余裕で耐える。ハイブリッドの数十倍の容量を持つ電池を積む電気自動車も全く同じ。少なくともガソリン漏れて燃える確率よりケタが違うくらい安全だ。

 参考までに書いておくと、燃料電池車の安全性はさらに高い。転がっても衝突しても潰されても水素タンクだけ残るほど強固。”ショートして水素に引火してドカン!”なんてことは100%ないとは言い切れないものの、そんなダメージを受けた時点で人が生き残っていられる状況だとは思えない。今までの実績からもハイブリッド車や電気自動車は安全だ。

電気自動車は危険という都市伝説の理由 

 では、なぜ危険だと言われているのか? 調べてみたら過去に大きな水害の際、JAFや消防、そして学識経験者などが大容量バッテリー搭載車危険論を展開していた。それを鵜呑みにしたメディアも多く、特に2016年くらいまではハイブリッド車危険論を紹介。JAFや消防など「ハイブリッド車のレスキューは専用知識が必要」とまで主張したほどだ。

 加えて自動車メーカーの取扱書にも”念のため”取り扱い時の注意書きをしてあり、絶縁手袋の使用を推奨してある。自動車メーカーとしちゃ100%安全だという保証など出来ないため、注意書きをしたワケ。これを100%真に受けたのだろう。興味深いことに直近の状況を見ると、JAFも消防もハイブリッド車を普通のクルマと同じように扱っている。

 ということで水没したハイブリッド車や電気自動車に要救助者がいた場合「ハイブリッド車だから感電するぞ!」と言われても気にしないでよい。普通のクルマと同じく助けてあげて頂きたい。

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