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なぜ激減? ハンドルの根元から伸びる「コラムシフト」を見かけなくなった本当の理由

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: Auto Messe Web

インパネやフロアシフトが主流に

 AT(オートマチック)車のシフト方式にはいくつかあって、「フロア」「インパネ」「コラム」という3つに分かれる。もちろん変速やモードを選択するという機能自体には変わりがないものの、”流行り廃り”というか、時代によって採用されるシフト方式が異なってきたのも事実だ。

 現在でいうと、AT/MT問わず主流になっているのが、「フロアシフト」。車体のフロア(床)から出ているイメージではなく、前席間のコンソールに位置するもので最もお馴染みの方式である。

 逆に今や見かけないのが「コラムシフト」。コラムとは”ステアリングコラム”のことで、要はハンドルの付け根からシフトが出ているタイプを指す。絶滅に近い感じなのだが、そもそも採用されていた理由としては、前席まわりのスペースを確保できるということがある。

 1960年代では、前席がベンチシート車が多く、コラムシフトと組み合わせれば左右に移動できるだけでなく、3名で座ることも可能だった。今でも旧車のスペックで「ベンコラ」という文字を見かけるが、これはベンチシートとコラムシフトの組み合わせを短くした略語のこと。もちろんフロアシフトではベンチシートにするのは無理というか、意味がないのだ。

 当時はMTのコラムシフトも多くあり、最近までタクシーでは残っていたので、覚えている方も多いのではないだろうか。押したり引いたり、上げたり下げたりして、シフトチェンジするのは独特だったが、操作性というか、カッチリ感はあまりなくてコツも必要だった。ミッション自体も今のようにスコスコと軽く入らなかったので、コラムシフトの操作が滑らかでなくても問題なかったというのはあるだろう。

 逆に当時のスポーツカーでは、フロアシフトを大々的に謳っているものが多かったほどで、操作性のよさなどはスペシャルな存在。そのため、コラムシフトは実用装備の色合いが濃かった。

 その後、ミッション自体も進化し、良好な操作性が求められるようになると、フロアシフトが主流になって、乗用車ではコラムシフトの採用数が減ってしまう。法律の改正で、横3人がけの寸法が変わり、コラムシフト&ベンチシートにしにくくなったのもあるだろう。

 ただし、左右だけでなく、前後のウォークスルーを重視したり、センターは収納に特化するミニバンや、スペース効率を追求する軽自動車などでシフトコラムは残っていた。着座位置が高めで、フロアシフトにするとシフト自体が長くなってしまうことや、操作を頻繁にする必要がないATということもあったことから、1990年代にはけっこう見かけたものだ。

 これについても、実際にワイヤーでトランスミッションまで引っ張っていたのが、電子制御化することで、いわばスイッチとなり、コラムにシフトを置く必要も消滅。手が自然に伸ばしやすく、操作性もいいため、インパネへと移動して、インパネシフトが主流になる。現在に至っていて、プリウスのシフトはいい例。これまでのコラムシフトのメリットは残しながらも、ステアリングまわりをすっきりできるというメリットもあって、普及が進んでいる。

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