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進化する自動車用バッテリー「鉛」「リチウム」「ドライ」その違いと特徴は?

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TEXT: 髙山則政  PHOTO: メルセデス・ベンツ、阿部商会、Auto Messe Web

搭載方向を選ばないドライバッテリー

 構造上のバリエーションでは、「ドライバッテリー」というタイプがある。こちらは、希硫酸をグラスマットなどの布状シートにしみこませたものを電極で挟み込んだ仕組み。アフター品では「オプティマ」や「オデッセイ」といったメーカー品が有名だ。オプティマでは電極とグラスマットをバームクーヘンみたいに巻き付けてある構造。こういったバッテリーは始動性能が高く寿命が長いほか、密閉式なので横向き搭載できるメリットがある。

 また、最近の輸入車ではメーカー純正品でも「AGM(もとをたどればドライバッテリーの正式名称らしい)」の搭載車が増えている。AGMというのは”アブソーブド・グラス・マット”の略で構造的にもメリットがある。

 というのも、通常の液入りの鉛タイプだと電極部は液にドップリと浸かっていなければならないので、バッテリー箱よりも電極部は低めにしておかなくてはならない。また、充放電で電極と電解液の間で電子をやり取りするときに、電解液の濃度が上下で違ってくることがある。

 その点AGMでは、同じ外形サイズでも電極高さを目いっぱい取ることができるし、電解液をしみこませてあるので濃度ムラが出にくく電子のやり取りも行ないやすい。そのため、外寸は同じでも大容量化が可能となるのだ。

 そのほか、輸入車では非常時のバックアップ用としてサブバッテリーを搭載するケースがあり、ここにも小型のAGMが採用されていてキャビン内へ設置されている車種もある。

 ドライバッテリーでの注意点は補充電に関するもの。ドライバッテリーは充電時に出るガスを内部で処理しているが、設定電圧を超える過充電を行なうと、極板を傷めたり安全弁からガス噴出することがある。このため、指定の電圧(14.5V程度)を超えない制御を行なうための充電器を使う必要がある。

 

軽量コンパクトでハイパワーなリチウムイオン

 鉛バッテリー以外の次世代型12V系バッテリーでは「リチウムイオンバッテリー」も存在感を増してきている。すでに二輪車の一部は搭載しており、ハーレーダビッドソンではアクセサリー扱いでラインアップがあるほど。4輪でもロータスやアストンマーチンの限定車で搭載例があるし、モータースポーツ向けの軽量化パーツとしても定着してきている。

 特徴は、充放電性能や容量が大きくて長寿命。軽量化の効果では同クラスの鉛バッテリーに対して3分の1〜5分の1の質量となる。安全性に関しても「Le-FePO4」というタイプなので、一時期スマホなどのモバイルデバイスで問題となった発火事故の恐れも極めて少ない。

 このように性能面では非常に魅力的だが、レアメタルを使うことなどから値段が高く、使い方や充電管理も特有なものになっている。例えば寒冷時にはスリープしたような状態になりスターターが回りづらくなることがあるので、あらかじめライトなどを点灯させて発熱させる「活性化」という儀式が必要なこともある。充電も13.8〜14.6Vに制御しなくてはならないので、対応した充電器で行うことが必要で、バッテリー上がり時にジャンプスタートができないといった点など、多少取扱には注意が必要だ。

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