【走る広告塔】カルソニックからケイヒンまで、SUPER GTマシンをスポンサーしているメーカーの正体とは

【走る広告塔】カルソニックからケイヒンまで、SUPER GTマシンをスポンサーしているメーカーの正体とは

レース界ではポピュラーなスポンサー企業

 日本のレース界で最も盛り上っているとも言える「SUPER GT」には、長年にわたりレーシングチームを支援しているメインスポンサー企業がいくつも存在する。そのマシンに描かれたスポンサーロゴを見る度に、死闘を繰り広げたレースを思い出すファンは、きっと多いことだろう。

 ところが昨今、レースに興味のない人の日常生活やカーライフにおいても、関わりが間接的なスポンサーも多くなっているのも事実。「どんなメーカーなのかよく分からない」という人も少なくないのではないだろうか。

レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 例えば、「au」とか「Hoppy」とか、誰でもが分かるスポンサーロゴが見られるGTマシンもあるし、自動車オイルブランドや自動車ディーラー系のパーツブランドもクルマ好きの人には知られている。

 そこで、イマイチよく分からない人が多くてはスポンサー企業にとっても残念なので、改めて紹介。まもなくシーズンも開幕するので参考までに。

TEAM IMPUL「CALSONIC(カルソニック)」

 筆頭格といえば、レースファンなら誰もが知る、星野一義さん率いる「TEAM IMPUL(チームインパル)」のメインスポンサー『CALSONIC(カルソニック)』ではないだろうか。

レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 カルソニックのルーツは1938年に創業された「日本ラジエーター製造」にまでさかのぼる。終戦後の1954年には日産自動車の資本が入り、同社のラジエーター製品を受注するとともに、マフラーの生産も開始。やがてヒーターやメーター、カーエアコンなどの開発・製造にも手を広げ、1988年に社名を「カルソニック」に変更した。ひと言で言えば、日産系の大手冷却系部品メーカー、ということになる。

 その後、2000年に日産系列の樹脂部品メーカー「カンセイ」と統合し、社名を『カルソニックカンセイ』に変更。フロントエンドやインパネのモジュール生産、EV用インバーターの生産も手掛けるようになった。2005年には日産の連結子会社となるが、2017年3月に日産から離れて投資ファンドのKKRが設立したCKホールディングスの傘下へ。

 昨年2019年5月、イタリアの総合部品メーカー「マニエッティ・マレリ」をFCAより買収し、同年10月に社名を「マレリ」に変更している。

レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 そのため、2020年シーズンからは馴染みとなっている「CALSONIC」のロゴが消滅するのではないかと噂されたが、「MARELLI」を加えつつも最も大きなロゴで残されることになった。

 

KEIHIN REAL RACING「KEIHIN(ケーヒン)」

 金石勝智さん率いるレーシングチーム「リアル」のメインスポンサーを2009年より続けている「KEIHIN(ケーヒン)」は、本田技研工業(ホンダ)を筆頭株主とする総合部品メーカー。

 二輪・四輪車用キャブレターを開発・製造する1956年創業の「京浜精機製作所」がそのルーツで、1974年には”CVCCエンジン用”のキャブレターを開発した。その後もインジェクターやハイブリッドカー用パワーコントロールユニットなど、パワートレイン系部品を得意としている。

レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 1997年には、ホンダアクセスのエアコン事業部から分離した「ハドシス」および、「電子技研」と統合し、現在の社名「ケーヒン」へ。そして2019年10月、ホンダがケーヒン、ショーワ、日信工業を完全子会社化したのち、それら3社を日立オートモティブシステムズに吸収合併させる計画を明らかにしている。

 そのため「KEIHIN」のロゴが見られるのは、もしかしたら今シーズンが最後になるのかもしれない。

 

その他「KOBELCO、REALIZE CORP、ZENT」

 デンソーとともに2012年より「サード」のメインスポンサーを務める「KOBELCO(コベルコ)」は、大手鉄鋼メーカー「神戸製鋼所」のブランド名。ラグビー社会人リーグの強豪チームの母体として知る人は多いのではないだろうか。レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 また、近藤真彦さん率いる「コンドーレーシング」のメインスポンサー「リアライズコーポレーション」は、トラックやトレーラーを投資対象資産とする金融商品「トラックファンド」や、トラック・トレーラーを運送会社に貸与する「R.リース」の運営などを手掛ける会社だ。レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 さらに「セルモ」のメインスポンサー「ZENT(善都)」は、愛知・岐阜県内に27店舗を構えるパチンコ・パチスロ店の運営会社。近年はSUPER GTとWEC(世界耐久選手権)へのスポンサードを中心としているが、かつてはティレルやヤマハといったF1チームも支援。まさに日本のモータースポーツと切っても切れない存在と言っても過言ではないだろう。

レーシングカーは走る広告塔と言われているが日本のスーパーGTでもスポンサー企業は一般消費者に直接的に知られていないブランドが増えている

 以上、BtoC(一般消費者向け)ビジネスを展開していないBtoB(企業対企業)ビジネス中心の会社、あるいは特定の地域に強い、SUPER GT(GT500)参戦チームのメインスポンサーを採り上げてみた。

 これらのロゴを街中や愛車の構成部品で見かけた時、その事業内容に思いを馳せれば、推しのチームに対する愛着がより一層深まることだろう。


画像ギャラリー