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モータースポーツで見かける「ロールケージ」 安全性や走りの向上は街乗りでもメリットある?

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

居住空間の犠牲や車両重量増をどう考えるか

 いっぽうデメリットとしては、乗り降りのしにくさや居住空間が狭くなること。確かに競技専用の本格的なロールケージは街乗りまでを考えておらず、ユーザーもマイナス面を納得している人ばかりだった。しかし、ストリートでのロールケージ需要が高まれば、作り手もそうした部分を黙殺するワケにはいかない。

 例えば、専門メーカーとして約半世紀もの歴史を誇る『サイトウロールケージ』では、古くからストリートでの有用性を謳っており、より使いやすくするための工夫を随所に盛り込んでいる。乗降性と居住性はパイプを内装にピッタリ這うよう、パイプの曲げ回数を増やしフロアに落とす位置も考慮。ハッチバック車ならばラゲッジの積載量をできる限り犠牲にせず、オープンカーでは開放感をなるべく損なわない形状にするなど、職人ならではのコダワリが詰まった製品は愛用する街乗りユーザーも多い。

 また、事故のときロールケージに頭をぶつけてしまうリスクがある。モータースポーツのようにヘルメットや4点式シートベルト着用ならば問題ないものの、街乗りでは乗員がいる部分にパッドと呼ばれる分厚いスポンジを巻かないとケガしやすい。そもそも車検をクリアできず、違法となるので杞憂というしかない。後席にまで人が乗るならすべて巻かなくてはならないのだ(2名乗車に定員変更するならフロントのみでOK)。

 それと昔よくいわれた「事故の衝撃がボディ全体に伝わり修復が大変」という説もある。とはいえ、クラッシャブルゾーンを設けた近年の衝突安全ボディなら、ロールケージがあってもなくてもダメージの伝播は変わらないだろう。

 以上を考えるとストリートのデメリットとしては、金属製のパイプを装着することによる重量増、定員変更が必要ならその手間とコストといったところ。とはいえ、走行会といったモータースポーツを楽しむ人や、ボディ剛性の低い車種や古いクルマでの恩恵はあるかもしれない。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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