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自己満足を極めればたどり着く? クルマの『ワンオフ』パーツとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

唯一無二が実現できるカスタムの世界

 クルマをカスタムする目的は人それぞれ。性能を高めるため、カッコよさや目立つことを求めたいというケースもある。その極地ともいえるのが、世界にひとつだけのパーツを作り上げる「ワンオフ」という存在。既製品じゃ満足できない人がたどり着く、魅惑の世界を紹介しよう。

 まずは『ワンオフ』という言葉の意味を再確認。英語では文字通りに”one off”となり、1回だけの使い捨て製品や1回だけ行なわれることを意味する。日本では主に「特別な目的のために作られたひとつだけの製品」を指し、衣類などでいうオーダーメイドと同じ趣旨だ。

 クルマ関係でよく耳にするワンオフ製品は「マフラー」が挙げられるだろう。性能重視ならばチューニングしたエンジンや吸気系パーツとの相性、または走行するサーキットとの特性を考えて太さやレイアウトを決めて製作。ドレスアップ思考であれば出口のデザインや位置、ローダウンしたときアームやフロアと干渉しないレイアウトなど、ユーザーの要望に沿ってイチから作っていくワケだ。

 当然ながら費用は既製品と比べるべくもないけど、それを納得し価値を見い出せる人だけが踏み込める、自己満足を突き詰めた世界といえるだろう。費用はテール(リアピース)のみ、または中間パイプやフロントパイプといった部位だけでなく、どんな材質を使うかによって大きく変わるが、安く見積もっても10万円以上はかかってしまう世界。製作したマフラー次第では保安基準に適合できず、車検に通らなくなる可能性はあるものの、それ以上の価値を求めるフリークが存在するのも事実なのだ。

 そして、カスタムの世界でメジャーなのは「エアロパーツ」のワンオフ。一般的には異なるメーカーのエアロを組み合わせる通称”ニコイチ”や、既製品をベースに大幅加工するというケースが多い。もし、自分好みのデザインをイチから作るのは莫大な手間と費用がかかり、バンパーだけでも数十万円は当たり前。 同じ車種の仲間を集めて自分たちだけのエアロを作る手はあるものの、それだと複数の製品が完成するためワンオフと呼んでいいのかは難しいところだ。

 また、同じくエクステリアではクルマを全塗装する「オールペン」も、ある意味ワンオフといえるのではないだろうか。他の車種にも存在しないオリジナルカラーを調色して塗るのであれば、それはまさしくオンリーワンな1台だけの色となり、費用もソリッドなら20万円~という世界だ。 パール、キャンディ、ラメといった特殊な塗料、重ね塗りの回数やエアブラシやグラインダータトゥーなど、難易度の高い手法の有無でかなりの差はあるが、単色で塗るだけなら意外に手軽なワンオフかもしれない。

 

人目には触れられない、究極の自己満足

 続いてはインテリア。コチラは内装やシートの張り替え、もしくはオーディオのボックス製作がメジャーだ。キャンピングカーならばベッドやギャレーをワンオフする人もいるため、費用は作業の中身によって差があるためにバラツキがある。

 他人の目につきやすい外装とは違って、同じ趣味を共有するクルマ好きや知り合いくらいしか気が付くことのない世界。クルマの内側で個性を演出することこそ、究極の自己満足と呼べるのではないだろうか。 最後にサーキット走行派に多いのが「足まわり」のワンオフ製作。ダンパーの減衰力やスプリングの変更はオーダー時の範疇に含まれることがあるものの、市販品のない希少車や絶版車はエンジニアに採寸してもらい、ケースやアッパーマウントから製作してもらうというもの。予算は仕様によるが30万円~が一般的で、こちらも自分の走りに合わせたオーダーメイドを行なってくれる。

 モノによっては車検をクリアできない可能性はあり、費用だけじゃないデメリットがあるのも事実。とはいえ、オーナーにしか味わえないからこそ、その満足度も非常に高いと聞く。このようにカスタムの世界には、性能や所有欲を満たしてくれる「究極の自己満足」が存在するのである。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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