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「ハイエースEV」「キャラバンHV」登場の日は遠い?  人気キャブオーバーバンが電動化されない理由とは

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: 遠藤正賢,Auto Messe Web編集部

積載フルで入り込めない電動化

 ふたつ目の理由としては、法的に認められる「最大積載量」の問題がある。

 最大積載量は、”車両総重量から車両重量(=キャブとシャシー、架装の合計)と乗車定員×55kgを引いた数値”だ。トラックがそうであるように、現実的には車格に応じて車両総重量=クルマが耐えられる重さが決まってくる。

 ハイエースやNV350キャラバンの場合は車両総重量が3トン前後となるわけだが、その中で車両重量が重くなり、乗車定員が増えるほど、最大積載量は減ってしまうのが実情。従って、車両重量の増加が避けられない電動化は、最大積載量の減少に直結するため、多くの荷物を積みたいユーザーのニーズに逆らうことになってしまうのだ。

 

コスト問題解決の大転換はあるのか

 最後の理由として、イニシャルとランニング、双方のコストの問題がある。

 ハイエースやNV350キャラバンは中小零細企業や個人事業主のビジネスユース、あるいは趣味で使う個人のユーザーが多いため、車両本体価格が高くなるのはNG。動力性能と燃費の両面で明らかにディーゼルエンジンよりも不利であると知りながら、ガソリンエンジンを設定するのはそこに大きな理由がある。

 また、総走行距離が数十万km、あるいは百万km台に達することも珍しくない両車の場合、乗用車では考えられないような劣化や故障が発生するリスクを想定する必要がある。そして電動化は高額な部品の点数増加に直結するため、それらが故障すれば整備費も高額になりがち。

 つまり、どれほど電動化によって燃費が改善され燃料費を節約できても、車両本体価格や整備費の上昇分を打ち消して余りあるほどでなければ、ユーザーは買ってくれない、というわけだ。

 以上のように、ハイエースやNV350キャラバンを電動化するには、何よりもまず駆動用バッテリー、またその他の電動パワートレイン部品を含めたシステムにおいて、現状よりも大幅にコストを下げつつ小型軽量化する必要がある。その道のりは決して近くも平坦でもないように思えるが、果たして……? 期待せざるを得ない技術革新がそこにはやってくるのかもしれない。

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