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「ユーザー車検代行」とは? オススメできる人とできない人のリスクを考える

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

代行業は”車検を通す”ことだけが目的

 すっかりと定着した感のある「ユーザー車検」。大きく分けると、クルマの所有者が自ら検査場に持ち込むケースと、代行業者と呼ばれるプロの依頼するふたつの方法がある。確かに自分で持ち込んめば安上がりなのは確かだけど、費用だけ気にしていると思わぬ落とし穴にハマる可能性もある。

 ディーラーや整備工場にすべて任せるスタイルの車検と違い、最低限のチェックだけで簡略化し費用を抑えるのがユーザー車検。多くの人は自分で愛車を点検および整備し、検査場に持ち込むスタイルを想像すると思うが、それらの作業を代行する業者も存在しており、いずれの方法もひっくるめて『ユーザー車検』となる。

 法的には自分で行なっても問題ないのに、あえてお金をかけて業者に頼む理由とは何だろうか。最大のメリットは何といっても”時間”。検査場は土日と祝日が休みなので持ち込めるのは平日のみ、週末しか休めない人は有給休暇や代休を取る必要があるわけだ。

 しかし、プロに委託すれば大抵の場合は代車を用意してくれるほか、大きな整備が必要で車両を数日預けるケースを除き、週末を挟まない1~2日で終了することが多い。

 また、整備や修理に関するリスクを抑えられるのもメリット。よほどクルマに詳しいオーナーじゃない限り、激しいオイル漏れなど見た目で分かりやすい例を除き、車検をクリアできるかどうかの判断が難しい。自分では気づかないまま検査場で発覚すれば当然ながら不合格で、カンタンな修理で当日のうちに再検査を受けられればいいが、部品交換で納期がかかるようならば日数もかかる。下手すればその間に車検が切れてしまう可能性もあるわけだ。

 その点も真っ当な代行業者であれば事前の点検で不具合を見つけ、交換しなければならない理由や費用をキチンと説明してくれる。つまり整備すべきポイントが的確で、”ムダなお金と時間”を使わずに済むことができるわけだ。

 そして検査場のシステムも昔に比べれば分かりやすくなったが、基本的には知識や流れを把握している、ディーラーや整備工場のスタッフを想定しており、何も知らない人が「行けばなんとかなるだろう」程度の考えだと大変。専門用語が飛び交い、テキパキと動くツナギ姿の人ばかりで雰囲気に圧倒され、書類の書き方なども聞けずオロオロしているユーザーを、筆者は数え切れないほど見ている。

 慣れてしまえば難しくないものの、毎日のように訪れる業者と違ってマイカーの車検は大半が2年に1度。その頻度では慣れること自体が難しいと言わざるを得ない。

 なお、話を聞いた代行を請け負う業者によると、手数料は1万5000円で「予備車検場」による24カ月点検が5000円で合計2万円程度(交換部品代や税金等は別途)。点検および整備と持ち込み検査で最低2日かかり、上で説明したようなリスクや手間を考えると、高いどころか逆に割安ではないだろうか。

 最後に前述の代行業者からの注意点を。手数料を極端に安く設定している業者もあるが、本来なら修理する部分をあの手この手でごまかし、いわゆる”通すだけ”の場合が多いとか。というのも、ユーザー車検代行というのは、運輸支局に車両を持ち込んで車検手続きだけを行なってくれるというもの。点検や整備は行なわないのが基本なので、愛車の整備に不安ならば知識を持った専門の代行業者に相談することが重要だろう。

 メンテナンス不足で事故を起こしたら一生を棒に振ることもあるので、値段だけに目を奪われず安心&安全なカーライフを送ってほしい。

*写真はイメージ

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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