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日本最速で泥まみれ!  新型ハイラックスが履いた「オープンカントリーR/T」の知られざる底力とは?

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TEXT: 佐藤知範  PHOTO: TOYO TIRES、Auto Messe Web編集部

ドライコンディションでは抜群のコントロール性を誇る

「AXCRは通常であれば毎年8月に開催されるのですが、その時期、現地は雨季に当たる。必然的に路面はマッド(泥濘)がメインになるため、M/Tタイヤが適しています。しかし今回は、コロナの影響で開催が12月に延期される予定です。12月は乾季。路面も比較的乾いたケースが多くなることを想定し、オープンカントリーM/TとR/Tの両方でタイヤテストを行ったんです」と赤星さん。

 結果、総合的にM/TよりもR/Tの方が適している、ということになった。このあたりは2016年からチームジャオスのドライバーを務めている能戸さんの「感触」も反映されている。

「サイズ・空気圧など条件を揃えた上で両方をテストしましたが、泥濘地以外ではオープンカントリーR/Tの方がよりコントロールが効きました。見通しが悪く、どんなイレギュラーが潜んでいるか分からない環境下で走るには、思いのままに操れるこの感覚はとても心強いですね」と能戸さん。

 ちなみにシェイクダウン当日、能戸さんのドライビングを新型ハイラックスのナビシートで体感する機会に恵まれた。前日は大雨だったそうだが、この日はよく晴れており、水はけの良い火山灰質の土壌はすでにドライに近かった。さてさてコントラーブルな走りとは一体どんなものか(※筆者は素人です)と、わくわくしながら4点式シートベルトを締めた。

「じゃあ軽く行きますよ~♪」という能戸さんの声で始まったコース3周のトライアル。走り出した直後から、「この速度は絶対ヤバい!」と本能的な恐怖を感じ、体内から何かが飛び出していきそうになる。しかし気付けば、「ああ、この速度でハンドルを切っても曲がるのね…」という安堵感に変わっていた。

 何となくズルズル滑らせながら走るのかなと思っていたのだが、乗ってみるとあまり滑っていない。いや実際は滑っているのかもしれないし、おそらくサービス的な意味でドリフトしてくれたシーンもあっただろう。それでも随所で路面に食いつくから、モタつかずキビキビ動く。

 オートマだったのでいったん低速域に落とすとパワーが出るまで一呼吸遅れるのだが、そこからはロスなくスムーズに加速する。トラクションの掛かりも良好に思えた。何よりあのスピード(100㎞/h近く出ていた)でデコボコ道を走ってコントロール不能にならないのは凄い。熟成を重ねたKYB製サスペンションや能戸さんの腕があっての話だろうが。

 惜しむらくはオープンカントリーM/Tと比較ができなかったこと。あとは路面がマッドになった時にR/Tはどうなのか、という点も気になったが、状況に応じてR/TとM/Tを使い分けるなど、チームジャオスは臨機応変に動くだろう。

 しかし実質オンロード向けと思い込んでいたオープンカントリーR/Tが、ここまでオフロードに強いとは思わなかった(スミマセン)。R/Tユーザーからすると何を今更という感じだろうが、これはキャンプや釣りといった身近なアウトドアでも生きてくるはずだ。よほどのヘビーユーザーでもない限り、性能的にはR/Tで十分じゃないかという気もする。

戦略的パートナーシップにより相互に高め合う関係に

 トーヨータイヤとジャオスは今年4月に戦略的パートナーシップを結んでいる。それはAXCRでトーヨータイヤがジャオスにタイヤ供給するというだけの関係ではなく、相互に連携したマーケティング活動を継続的に推進していくというもの。

  今回の戦略的パートナーシップにより、そうした現場重視の傾向はより加速していくものと思われる。ジャオスが長年積み重ねてきたノウハウを共有することで、これまで以上にユーザー視点に立ったタイヤが開発されることだろう。

 ジャオスとしても有力なタイヤメーカーとの相互協力関係は大きなメリット。レースだけでなく、4WDのカスタマイズではタイヤが重要になる。たとえば優れたアルミホイールを開発したとしても、いいタイヤがなければその商品は売れない。逆にいいタイヤがあれば、ホイールはもちろん、連鎖的にサスペンションや外装品も売り上げが見込める。

 いずれにせよ、互いに高め合える関係なら、それはユーザーにも業界にも間違いなくプラスになる。両社のパートナーシップで魅力的な商品が生まれることを期待したい。

 最後にニュースを。今回のシェイクダウンの模様は動画で撮影されており、TOYO TIRESYOUTUBEアカウントにて公開されている。非常に刺激的な仕上がりになっているので、ぜひご覧いただきたい。新型ハイラックスがいち早く泥だらけになっているシーンを見たい人にもオススメです。

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