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物議を醸し出した「ブーレイ顔」に初の「AT」から「ワゴン」まで! 歴代最速を更新し続けた「ランエボ7〜9」とは

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: 三菱自動車、Auto Messe Web編集部

【ランサーエボリューション9】CT9A | 2005年3月発表

 ランエボ8で不評だった“ブーレイ顔”は早くも廃止され、フロント開口部が再び拡大されるとともに、バンパー下部にインタークーラーパイプ冷却用のダクトを新設。リヤバンパーも下部をディフューザー形状とした新デザインとなり、操縦安定性が向上するとともに外観上の迫力もさらにアップした。ブーレイ顔が廃止されたランサー・エボリューション9

 4G63型エンジンはさらに進化し、MIVEC(連続可変バルブタイミング機構)が採用されたことで、GSRで最大トルク40.8kgmを3000〜4500rpmの広範囲で発生。ランサー・エボリューション9に搭載された4G63エンジン

 さらにRSと、GSRの快適性にRSの走りの装備を兼ね備えた新グレード「GT」には、トルク容量が大きい5速MTとの組み合わせで、コンプレッサーホイールの材質をアルミニウム合金からマグネシウム合金に変更したターボチャージャーを採用することで、最大トルクを41.5kgmにまで高めている。ランサー・エボリューション9の車内全景

【ランサー・エボリューション・ワゴン】CT9W | 2005年9月発表

 ランエボ9にランサー・ワゴンのボディサイドパネルやルーフパネルなどを結合させ、リヤまわりを重点的に補強した、究極のスポーツワゴン「ランサー・エボリューション・ワゴン」が、2005年末までの期間限定かつ2500台限定で発売された。ランサー・エボリューション・ワゴンの横走り

 グレードは6速MTを搭載する「GT」と、5速ATを搭載する「GT-A」の2種類で、スペックは前者が9のGSR、後者は7のGT-Aと共通。なお後者は、フロントバンパー左下の開口部にATオイルクーラーを配しており、その冷却のためにライセンスプレートを中央に移設している。水たまりの上を走るランサー・エボリューション・ワゴン

 大径タイヤを収めるホイールハウスの張り出しにより、荷室の容量はベース車より約10%少ない530Lとなっているが、6:4分割可倒式シートバックやロール式トノカバー、3分割式のラゲッジアンダーボックス、ラゲッジフックなどを備えることで、使い勝手を高めている。ランサー・エボリューション・ワゴンのラゲッジスペース

【ランサー・エボリューション9 MR/ワゴンMR】CT9A/CT9W | 2006年8月発表

 第3世代最後のランエボとなる9 MRおよびワゴンMRは同時に発売され、9 MRはGSRとRSの2グレード構成に戻される一方、ワゴンMRは従来通りGTとGT-Aの2グレード体制が維持された。2006年に登場したランサー・エボリューション9 MR

 9 MRおよびワゴンGT用の4G63型エンジンはMIVECの制御を変更したほか、ターボチャージャーのタービンホイール材質をインコネル(ニッケルクロム系合金)からチタンアルミ合金に変更。コンプレッサーホイール入口径の縮小と合わせ、レスポンスを向上させた。その一方で、チタンアルミ合金製タービンホイールとマグネシウム合金製コンプレッサーホイールを組み合わせたターボチャージャーは、GSR、RSともメーカーオプション設定となっている。ランサー・エボリューション9 MRに搭載された4G63エンジン

 また、アイバッハ製スプリングを初めて採用するとともに車高を従来より10mmローダウンし、さらにスーパーAYCの制御をよりスポーティな方向にチューニング。左右後輪の駆動力制御量を約10%増大させることで、舗装路での旋回性能を高めている。アイバッハ製スプリングが初採用となったランサー・エボリューション9 MR

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