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「ウデ」は同じでも「タイム」が変わるサーキットの不思議! 最速ラップが更新できる「条件」とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

路面とタイヤの関係

 また影響を及ぼすのは気象条件だけじゃない。「ラバーグリップ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。アスファルトの表面にタイヤのゴム(ラバー)が乗り、タイヤのグリップが増したり磨耗が減ったりする現象を指す。

 サーキットでよく聞くのは、フォーミュラカーなどスリックタイヤを履いた車両のレースがあった翌日は、ラバーが乗っておりコーナリング速度が高くタイムも上がるという説。ただしラバーが乗るのはレコードラインに限った話で、それ以外の特にアウト側はちぎれたタイヤのカスが溜まりやすく、そこを走ると自分のタイヤで拾ってしまい、タイムが出にくいどころか振動や異音まで出てしまう。スリックタイヤを履いた車両のレースがあった翌日はラバーが乗っており、タイムが上がると言われている

 タイヤに関していえば路面温度もグリップ力に関係してくる。路面温度が高ければグリップするが熱ダレしやすくなり、低ければ熱ダレはしにくいがグリップ力を発揮する温度までタイヤを暖めなくてはならない。タイヤと路面温度の関係もグリップ力に関係してくる

他車を利用してタイムアップ

 最後は同時にサーキットを走行しているクルマ。コースが空いているほうがタイムは出やすいと思うだろうけど、ストレート速度やタイム差が少ないクルマであれば、自分のタイムアップに上手く利用する手段があるのだ。混走時は他車を上手く利用してタイムアップすることも可能だ

 レースの基本的なテクニックとして知られている「スリップストリーム」で、走行している車両の後方は空気の抵抗が少ないうえ、前車が作った空気の渦により引き寄せられる効果まで得られる。レースの決勝で追い越しのときよく使われるが、タイムアタックでも強力な武器となることは確実。レースの基本的なテクニックとして知られている「スリップストリーム」

 2本の長いストレートがあるスポーツランドSUGOでは、両方とも上手くスリップストリームを使えれば、1〜2秒タイムアップしても不思議じゃないという話も聞く。スポーツランドSUGOのメインストレート

 以上、ここで挙げた条件がすべて一致する日はめったにないが、頭に入れておけば速かったり遅かったりした原因を分析する材料になる。サーキットをより本気で楽しむなら、覚えておいて損はないだろう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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