エンジンとバイクの「ヤマハ」の隠れざる製品! 車いすもやっぱり「技術のカタマリ」だった (1/2ページ)

エンジンとバイクの「ヤマハ」の隠れざる製品! 車いすもやっぱり「技術のカタマリ」だった

ヤマハの電動アシストユニットが車いすをサポート

 オートバイメーカーとして知られるヤマハ発動機では近年、電動バイクの商品化を進めるとともに、電動アシスト自転車の生産量も大きく伸びてきています。こうした電動技術を投入して開発された商品が電動車いす、より正確に言うなら軽量型電動車いすと車いす用電動アシストユニットです。それはどういったものか、少しご説明致しましょう。

ユニット後付けの簡易型

 そもそも電動車いすには様々なタイプがあり、その分類も複雑になってきますが、基本的には自分で操作する自操用と介助者の介助が必要な介助用に大別できます。

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ヤマハ電動車いす自操型画像はこちら

 もちろん、両方の機能を備えた商品もあります。また最初から電動専用として設計開発された専用型と手動式の車椅子に電動アシストユニットを組み込んだ簡易型とに分けることもできます。ヤマハ電動車いす画像はこちら

 ヤマハに縁の深いオートバイで例えるなら、簡易型は自転車に小型エンジンを後付けし、戦後に一大ブームを巻き起こした“バタバタ”のようなもの、ということもできます。ヤマハの商品は、この簡易型の完成品と電動アシストユニットを展開し、特に電動アシストユニットに関しては国内市場でトップシェアを誇っています。

ユーザーへのアレンジもいろいろ

 車いすの車体というのは、折畳式のパイプいすに大小2セットの車輪を取り付けるのが一般的なスタイルで、前方の小さい車輪をキャスタ、後方の大きな車輪を駆動輪とか主輪と呼んでいます。

 キャスタは360度回転でき、駆動輪も左右が独立して回転するために左右を逆回転させ、その場で方向転換することが可能になっています。専用型でも簡易型でもモーターの出力を駆動輪/主輪に伝えていますが、そのコントロールはアームサポートと呼ばれるひじ掛けの前でフレームに取り付けられたコントローラーの、いわゆるジョイスティックでコントロールしています。電動車いすのジョイスティック画像はこちら

 考えてみれば、ジョイスティック一本で車いす全体の動きをコントロールしているわけで、ある意味クルマの電動化よりも高いレベルの制御技術が使われている、とも言うことができます。

 付け加えて言うなら車いすの仕様は、標準タイプもありますが、多くの場合はそれをユーザーに合わせて仕様変更している部分があります。というのはメインのユーザーとされる障がい者の方々の、障がいの具合は様々で、例えば左片麻痺の障がい者むけには右手で使いやすいよう右のひじ掛けの前方にコントローラーが取り付けられ、右片麻痺の障がい者むけには左手で使いやすいように左のひじ掛けの前方にコントローラーが取り付けられている、などといった具合です。車いす駐車ブレーキ画像はこちら

 また駐車用のブレーキは、左右の駆動輪/主輪に独立して掛かるようになっており、レバーをタイヤに押し付けて固定する、プリミティブですが確実な方式のものが使用されています。その操作レバーは、例えば左片麻痺の障がい者が右手で作動させやすいよう、シフトの長いパーツも用意されているようですが、自作の延長パイプ(写真はアルミホイールの紙芯を利用した製作例)を使用するケースも一般的です。車いす駐車ブレーキのアレンジカスタム画像はこちら

レンタルもまずは試乗して確認

 車いすは、購入するだけでなくレンタルもあります。そしてレンタルの場合、介護状態が要支援1〜2、要介護1〜5の人ならの1割負担(所得により2割負担のケースあり)で使用することができます。この補助の有無でもレンタルがお奨めですが、レンタルでは一般的にサポートサービスも込みの料金システムとなっていて、定期的に出張メンテナンスを受けることができます。

 バッテリーが消耗しきってダメになった場合(経験則から言うと1年半~2年毎)や駆動輪/主輪のタイヤが摩耗してきたときなどの交換費用も込みの料金となっています。電動車いすもレンタルできる画像はこちら

 もう一つ興味深かったのは、介護サービスをお願いしているケアマネージャーさんを通して申し込んだのですが「一回テストしてみてから」と言われました。「最高速度は前進で約6㎞/h程度ですが、まれに安全に運転できない人もいらっしゃいますから」というのがその理由だそうで、昔フェラーリは、ドライビングスキルが確認できないドライバーには決して売ってくれなかった、という都市伝説を思い出してしまいました。

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