不安な人は必ず試してほしい高齢者向けウェブサイト
高齢ドライバーによる事故が度々ニュースで取り上げられる昨今。当の高齢ドライバーも、自らの認知機能や運転能力が気になっているのではないだろうか。また、家庭内に高齢のドライバーをもつ家族にとっても、免許返納の時期を考えたり本人に促したりと、それがひとつの悩みになっている家庭もあるかもしれない。
そんな高齢ドライバーに向けたwebサイトがJAFの「エイジド・ドライバー総合応援サイト」だ。年齢とともに低下する運転に関する能力をweb上でテストしたり、さまざまな知識を知ることができる。パソコン操作に慣れた家族と一緒に、試してみてはいかがだろうか。
「チェック」「トレーニング」「アドバイス」の3部構成
このサイトの目的は高齢ドライバーが自身の能力を正しく把握すること。“自分だけは大丈夫”と過信してしまうことのないように、加齢による能力の低下を知ることができる。さらに加齢と運転に関する正しい知識を知ることができる内容となっているので、実際にひとつずつ見ていこう。
エイジド・ドライバー総合応援サイトは、(1)「運転に関する能力のチェック」、(2)「トレーニング」、さらには(3)「専門家からのアドバイス」と大きく3つの項目に分かれている。まずは高齢ドライバーはもちろん、高齢ドライバー予備軍の読者も自分の運転能力をフラットに把握するために一度チェックを試してみると良いだろう。
1)まずは運転に関する能力の「チェック」から
まずは(1)「運転に関する能力のチェック」から見ていきたい。チェック項目は認知の機能チェック、目の機能チェック、耳の機能チェックの3項目が用意されている。筆者も試しに各チェックを実際に体験してみた。
まずは認知の機能チェックでは物忘れなどの判断力チェックを行なう。忘れ物、運転中のうっかりミスなどの質問があったり、急ブレーキや急ハンドルに関する項目、さらには駐車枠へのピタリと停められるかどうかなどの質問項目が次々と投げかけられる。50歳代の筆者も思い当たる節が何件もあり、認知の機能チェックでは満点は取れなかった……。運転に関わる認知の機能は年齢とともに徐々に低下しているのを思い知らされる結果となった。
目の機能チェックでは素早く数字を見分けるテストなど、普段経験しないパズル的な要素に戸惑う、しかも回答時には時間制限があり焦りも加わって冷静の判断ができず、あっぷあっぷになってくるのを感じる。高齢になるともっと慌ててしまうことが容易に想像できるチェック内容だった。
チェック項目の最後は耳。これは聴力の衰えを自己分析するという内容だ。普段の生活の中ではよほど耳にトラブルを抱えていない限り聴力の衰えを認識することは無いだろう。その点、さまざまな角度から耳に関する質問を繰り返して、自分では気づいていない耳の衰えを認識できる仕組みになっている。
まずはこれらのチェック項目を実際に試してみることをオススメする。思わぬ項目で成績が悪かったり、自分はできると思っていることが意外にも苦手になっていたりするかもしれない。これも年齢による認知や運動機能に関係していると思われるので、自分の現時点での能力を知るという意味からも、年齢に関係なく一度試してみると良いだろう。