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「AZ-1」「ビート」「カプチーノ」! 奇跡の軽スポーツ「平成のABCトリオ」はなぜ傑作だったのか

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、K-STYLE編集部、MAZDA

カプチーノとAZ-1にあって、ビートになかったものとは?

 生産台数はAZ-1が4400台強、カプチーノが2万6000台強、ビートが3万4000台弱となっており、なんと販売期間が長いカプチーノよりビートのほうが売れている。中古車マーケットでもビートやカプチーノはある程度台数はあるが、AZ-1は極小。その希少性からAZ-1は新車を大きく超える価格(300万円以上)で販売されている個体も少なくない。ビートやカプチーノは40万円前後から選べるが、その価格帯はトラブルを抱えているクルマも多く、手を出すなら100万円前後から上がオススメである。スズキ・カプチーノとプライスボード

 基本パッケージはビートとカプチーノがオープンカーで、AZ-1がガルウィングドアのクーペ。駆動方式はビートとAZ-1がミドシップで、カプチーノがFRだ。エンジンは64psで横並び。ただし、カプチーノとAZ-1がターボだが、ビートは自然吸気で達成しているのがトピック。現在でもNAで64psに到達したモデルは他にない。ホンダ・ビートのエンジン

 ちなみにビートにはないが、カプチーノ/AZ-1にはコンセプトカーが存在する。2台は1989年の第28回東京モーターショーに参考出品。東京モーターショーに展示されたマツダ・AZ-1のコンセプトカー カプチーノはスタイルは市販とほぼ同じだったが、ボディにカーボンファイバーが用いられ、車両重量は500㎏を切る超軽量スポーツであった。東京モーターショーに展示されたスズキ・カプチーノのコンセプトカー

 対するAZ-1はAZ550の名前で、市販モデルに近いタイプA(ヘッドライトは格納式)マツダ・AZ-1のコンセプトカー(タイプA) クーペボディのタイプBマツダ・AZ-1のコンセプトカー(タイプB)

 グループCを彷彿させるタイプCという3台が出品され、その反響の高さから市販化へのレールは敷かれたのだ。現在、50代以上なら覚えている方も多いのではないだろうか?マツダ・AZ-1のコンセプトカー(タイプC)

ビートの世界初とAZ-1の特殊性。小さくても本気が詰まっている。

 車両重量はカプチーノがもっとも軽く700kg(後期型は690kg)で、そのあとにAZ-1(720kg)が続き、もっとも重いのがビート(760kg)。これはビートがミドシップ車として世界初のオープン専用設計ボディで、ホンダとしても経験値が足りなかったこともあり、必要以上にボディ剛性を与えたことも影響している。ホンダ・ビート

 さらに自然吸気エンジンであり、動力性能という面では2台に差を付けられたが、しっかりしたボディが与えられたことで、ステアリング操作に対して車体がリニアに応えてくれる楽しさ、エンジンをフル性能に使い切れる気持ちよさは他の2台よりも抜きんでている。数値で表せない魅力を兼ね備えているのがビートの真骨頂である。ホンダ・ビートの走行シーン

 AZ-1の魅力は異例づくめの特殊性。コンセプトカーが備えていたスーパーカーの三種の神器「ミドシップ/ガルウィング/リトラクタブルヘッドライト」は市販化にあたり、衝突安全など諸々の理由からリトラ式ライトは採用が見送られたが、ミドシップと軽自動車で唯一無二のガルウイングは採用された。外装パネルはすべてプラスチック製でスチール性のモノコックにボルトオンされるなど、小さいながらスーパーカーライクな作りとなっているのが素晴らしい。マツダ・AZ-1

 見た目はスーパーカーだが、ハンドリングは2.2回転のロックトゥロックと相まってジムカーナ車のようにクイック。走行中にクシャミもできない、と言われたのも頷けるほど刺激に溢れている。完成度という点では未成熟な部分は多いが、これほど個性的な(クセのある?)クルマは二度と生まれない。趣味性といった点では大いにそそられる。マツダ・AZ-1の走行シーン

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