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記録より記憶に残る「いすゞのヨンク」! バブルの申し子「ミュー」がトレンディ過ぎた

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TEXT: 河村 大  PHOTO: いすゞ自動車、青島文化教材社、タミヤ、Auto Messe Web編集部

いすゞの乗用車事業徹底で日本では絶版車に……

 その後1992年にはソフトトップが姿を消し、1993年にディーゼルエンジンが3.1L化した際にガソリンモデルとハードカバーが廃止され、唯一残ったメタルトップモデルに5ドアモデルが追加されるに及び、主役の座を実用性に勝る「ミュー・ウイザード」に譲っていった。

 その後1998年には3ドアモデルが2代目ミューとしてデビュー。5ドアモデルはミューの一族から独立、シンプルに「ウイザード」として発売され、どちらも2002年のいすゞの乗用車事業撤退まで国内供給された。バブル時代の名残を感じさせる希代の名車初代ミュー

 なお、初代ミューのボディはモノコックではなく、その元となったピックアップ「ロデオ」から譲り受けた頑丈なラダーフレーム構造。駆動系はフロントエンジンリヤドライブのFRをベースとしたパートタイム4WDで、普段は2WDで走りつつ必要に応じて任意に直結4WDに切り替えることができた。

 また、ギヤ比をハイ/ロー2段階に切り替えられる副変速機を備え、5速MTなら5×2=10速のギヤを備え、重量物の牽引や悪路でトルクが欲しい時にレバーを切り替えることで、一段とトルクフルな走りを手に入れることができた。バブル時代の名残を感じさせる希代の名車初代ミュー

 早い話が駆動系はジムニーやジープ、ランクル70系などと同じ構造。フロントサスはダブルウィッシュボーン式トーションバースプリングと当時のサーフやテラノと同じながら、リヤサスはリジッド式リーフスプリングと常用4×4のトレンドよりやや古めの構造。それでもショートホイールベースであることから、アプローチ、ディパーチャ、ランプブレークオーバーアングルという対地3アングルも優秀で本格的なオフロード走行も難なくこなすことができた。

ミステリアスな20世紀の四駆として記憶に残り続ける魅力に溢れていた

 後年、ショーモデルそのままのグラマラスなモデルが現実に発売され、世間をあっと言わせたビークロスが「早過ぎた4×4」と惜しまれ、今でも一部のマニアに愛され続けているが、ミューにそれほど息の長い人気がある、という話は聞こえてこない。バブル時代の名残を感じさせる希代の名車初代ミュー

 でも、あの当時のいすゞの乗用車には他メーカーとは全く違う輝きがあった。「これ日本に入れちゃったらどうだろう?」「実車化したらどうだろう?」など、そこにはマーケティングばかりのクルマ造りとは違う、何やら人間くさい営みがあって、同じカテゴリーでもさまざまなメーカーからクセのあるクルマが登場し、それを一喜一憂するわれわれもまた楽しかった。

 ミューはそんな古きよき時代を忍ばせるちょっとミステリアスで、でもチョロQのように愛らしく魅力的な1台だと思う。

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