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まるで宝石のような名車が集結! 北海道を舞台に「トロフェロ・タッツィオ・ヌボラーリ」開催

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TEXT: 山本 亨  PHOTO: 山本 亨/トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリ事務局

超稀少な名車が参加!

 今回のイベントには1928年式と1929年式のT40が2台、直列8気筒のT44が一台という豪華布陣だ。その性能は折り紙つきだが、エンジンの造作にも「拘り」を尽くす芸術品なのである。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 さらに白眉は世界耐久選手権用に作られた希少なマセラティ A6 GCSだ。当時、レース用に製作されたのは4台のベルリネッタ(高性能2ドアクーペボディ)と1台のスパイダー(高性能オープンボディ)と言われており、今回参加したスパイダー車両は、世界に1台のマセラティ A6 GCSモデル(!)ということになる。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 いまから約60年前に作られたドライサンプ仕様の2L 直列6気筒DOHCエンジンから170psを発揮するのだが、このエンジンの造形美も芸術品の域だ。その真鍮製ラジエータとラジエータからエンジンに伸びる真鍮製の機能美溢れる水路、そしてDOHCらしいカムカバーなどは、まさに見せるために作られたようだ。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 また戦前車両で「小型スポーツカーの傑作」と言われたイタリアのフィアット508Sバリッラ・スポルトもエントリー。わずか1LのOHVエンジンから36psを捻出し、最高速110km/hをマークするなど、当時欧州各地で開催された公道レースで大活躍を果たした希少なマシンもエントリーするなど多様な車種が勢ぞろい。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 今年は奇遇にもここまでのブガッティ3台にマセラティ、フィアットに加え、今年創立110周年を数えるアルファ・ロメオのエントリーも目立った。

アルファロメオも多数参加

 まずは1959年製の特別なジュリエッタだ。アルファロメオが、カロッツェリア・ザガートに依頼したのは、ジュリエッタのスパイダー用シャーシとツインカム1300ccエンジンを組み合わせたものへのボディ架装だ。この依頼に対してザガートは、オールアルミ製の軽量ボディとした。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 またリヤの大きな窓にアクリル製を採用するなどした結果、700kg台という超軽量ボディに仕上がった。この愛くるしい見かけとは違い、スパルタンで高性能なマシンは、ジュリエッタSZ(スプリント・ザガート)として正式にデビュー。

 今回の参加車両は珍しい前期型で、リヤデザインが丸い形状をしていることから通称「コーダ・トンカ(伊語で丸い尻尾の意)」と言われ、翌1960年の後期型はさらに空力を意識してロングテールとし、スパッと切ったような形状をしていることから「コーダ・トロンカ(伊語で切り捨てられた尻尾の意)」と呼ばれ車名の「ジュリエッタSZ」以上に愛称として親しまれたモデルであり、しかも総生産台数はわずか210台だ。

 そして日本では大変珍しい「ジュリエッタ」の最後期のベルリーナ(セダン)モデルもエントリー。なんといってもこのクルマのトピックは、1950年台当時はレース専用エンジンとも言えた高性能DOHCエンジンを4ドアセダンの大衆車に搭載してポピュラー化したことだ。同時に、戦後のアルファロメオ社をそれまでの高級車路線から大衆車路線へと牽引した傑作モデルでもある。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 アルフェスタの中でも、未だに人気がある通称「段付き」と言われる1963年に登場したベルリネッタ(2ドアクーペ)ボディの初代ジュリア スプリントGTが、2台出場した。この愛くるしいジュリアのデザインを担当したのは、当時ベルトーネに在籍したジョルジェット・ジウジアーロである。トロフェオ・タッツィオ・ヌボラーリの様子

 1300からスタートしたジュリア スプリントはGT、GTV、レース専用のアルミボディを架装したGTA(限定モデル)などをラインアップ。のちに1600、1750、2000へと昇華し、フロントデザインなど意匠を変えながら高級化を求める時代のニーズに適合させたモデルである。 

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