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「最初から最後まですべてが早すぎ、遅すぎた」ホンダNSX生産終了にファンが吐露した「本音」とは

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: ホンダ/Auto Messe Web編集部

マイナーチェンジ後はハイブリッドスーパースポーツに進化

 とは言え、スーパースポーツの世界において、このハイブリッドシステムは確かに革新的なものだった。事実、他社からハイブリッドスーパースポーツの量販モデルが発売されるのは、2019年5月のフェラーリSF90ストラダーレまで待たねばならず、その後もマクラーレン・アルトゥーラやフェラーリ296GTBなど、NSXのフォロワーはごく限られている。2019年5月に日本デビューしたフェラーリSF90ストラダーレ

 一方で、アルミフレーム&カーボンボディに、フロントモーターと1.5L直3エンジンを搭載するPHVスーパースポーツのBMW i8は、NSXより1年以上早い2013年9月に市販モデルがデビューしており、2020年4月に生産終了となっているのだが。1.5L直3エンジンを搭載するPHVスーパースポーツのBMW i8 こうして、新しいようでいて古いような、そんなハイブリッドスーパースポーツとして生まれた2代目NSX。だが、果たしてこれは筆者のような買えもしないただのファンはともあれ、実際に購入できる富裕層、あるいは初代NSXユーザーに「買いたい」と思わせるクルマだったのだろうか? 大いに疑問が残る。2代目NSX 手ごろなパワー・トルクとボディサイズ、軽さと圧倒的な旋回性能を武器にしていた初代NSXに対し、2代目NSXは全幅が1940mm、車重は1800kgに達している。

「人間中心」のコンセプトはパッケージングにこそ辛うじて留められていたが、視界の広さや日常域での扱いやすさは著しく退化。今やスーパースポーツには必須アイテムと言えるフロントリフターは最後までオプション設定さえされなかった。2代目NSXの走行シーン

2代目の新車価格は初代NSX-Rの約2倍相当

 またデビュー当時2370万円という、初代NA2型NSX-Rの約2倍に相当する車両本体価格も、購入ユーザーを限定する要因となったのは想像に難くない。しかもこの価格帯は、ポルシェ911ターボおよびGT3、フェラーリのV8 FRモデルやランボルギーニ・ウラカンといった、抜群のブランド力を持つモデルと直接競合することになる。ホンダNSXの発表会 一方で2代目NSXの性能はというと、システム最高出力が581ps、同最大トルクは645N・m。初代NSXと比較すればいずれも2倍以上の数値だが、競合モデルに対しては取り立てて高性能といえず、しかも200km/hでモーターアシストは切れるため、それ以上の速度域においてエンジン単体の507ps&550N・mというスペックは明らかに劣勢だったと言わざるを得ない。

 そして、多くのユーザーやジャーナリストから指摘された、内外装の質感の低さである。前期型はさらに、「スポーツハイブリッドSH-AWD」のトルクベクタリング制御が不自然なうえ、乗り心地や加減速の過渡特性も大味な傾向にあった。2代目NSXの走行シーン しかし、2018年10月のマイナーチェンジ(2019年モデル)では、トルクベクタリング制御や乗り心地、パワートレインの過渡特性が劇的に改善。ほぼ違和感なく走れるハイブリッドスーパースポーツに進化している。2018年10月にマイナーチェンジが施されたホンダNSX

最終モデルの「タイプS」はシャーシやミッションの制御も見直しがされている

 2022年モデルにして最終モデルとなる「タイプS」では、エンジン単体でも最高出力と最大トルクは527ps&601N・m、システム総合では608ps&667N・m(いずれも北米仕様の数値を換算)にアップ。これに合わせて内外装やシャーシ、「スポーツハイブリッドSH-AWD」に加えて9速DCTの制御も見直される模様だ。ホンダNSX タイプS だが、時既に遅し。この間にライバルの多くはフルモデルチェンジを行い、大きく進化を遂げている。その一方で、ハイブリッドカーを飛び越えて、100%EVのスーパーカーやハイパーカーが、スタートアップ企業などから数多く発売されるようになった。

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