最小回転半径が意外にも大きい
ただ、小回り性だけは褒められない。ワイドボディにノートより大径の17インチタイヤを履いているのだが、最小回転半径は5.2mと、ノートの4.9mより小回りが効かない。Uターンや駐車シーン、料金所での幅寄せなどで、ノートのようにはいかないのだ。 もっとも、3ナンバーサイズの国内外のコンパクトカーとは同等であり、もっと言えば、ノートオーラはダウンサイザー需要も多い。そのため、これまであまり小回りの効かないクルマに乗っていたユーザーにとっては、それほど気にすることはないかも知れない。
静かな室内空間だからこそわかるハイクラスオーディオ
試乗車には、プロパイロットと日産コネクトナビ(カーブ手前減速制御などをしてくれるナビリンク機能を使うなら必須)とのセットオプションとなる、前席ヘッドレストにもスピーカーが埋め込まれたBOSEパーソナルプラスサウンドシステムが装着されていた。BOSEらしい低音が効いた臨場感あるサウンドも、車載純正オーディオとしてはハイレベル、文句なしである。コンパクトカーとして例外的な静かな室内空間だからこそ、意味あるハイクラスオーディオではないだろうか。 ちなみに、ノートオーラのベースグレードとなるGと、ノートの実質的メイングレードXとの価格差は42万3500円!! 一瞬、プレミアムコンパクトだけに価格アップもすごい……と思ってしまいがちだ。
だが、じつはノートオーラでは標準装備となる360度カメラ、デジタルルームミラー、後側方車両検知警報などの先進安全運転支援機能、アダクティブLEDヘッドライト、アルミホイールなどの価格を考慮するとプラス25万1900円(税込)となり、価格差は17万1600円まで縮まる。 さらにノートオーラにはワイドボディや、より上質かつかけ心地の良いシート、専用デジタルコクピットなどが与えられているのだから、むしろお買い得なのは(ノート比)こちらと思えたりする!!
高齢者の乗り降りがしやすいリヤドアの開口部
個人的には、乗り心地面でも優位な4WDがお薦めで、クルマ酔いしやすい同乗者にも、フラット感溢れる走行感覚は歓迎されるに違いなく、コンパクトカーだと長距離、長時間ドライブはキツい……そんな先入観あるユーザー、ダウンサイザーにも最適だろう。また、リヤドアが大きく直角近くまで開くため(ノートも)、開口部が広く、高齢の親を後席に乗せるのにも適していそうだ。 日産ノートオーラ、それは国産コンパクトカーとして始めて、内外装の仕立てや装備だけでなく、走行性能や快適性、安心感(SOSコールやオペレーターサービスもあり)にまで踏み込んだ、真の意味でのプレミアムコンパクト。小さな高級車を実現した1台と言っていい。