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そろそろ生産終了秒読み段階? 歴代「R35GT-R」勝手にベスト5

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 日産/Auto Messe Web編集部

3位 エゴイスト

 スーパーカーの世界へと足を踏み入れ、ユーザーに合わせたテーラーメイドをR35に取り入れた「エゴイスト」を3位としたい。アッパーカラー4色、ロアカラー10色の合計20種類の組み合わせから選択できるインテリアは、専用キルティングが施されたセミアニリン本革シート/ナッパ本革&アルカンターラの高級素材を採用。ドイツの工房に送り、完成したものを日本で仕立てるという工程を経る。GT-R EGOIST

 足まわりも専用セッティングが与えられ、標準車と異なる上質な世界を作り上げている(ホイールはスペックVと同じ軽量タイプを採用)。オプションのボーズ製オーディオはユーザーの体形やシート位置に合わせてセッティングが行われ、センターパッドのGT-Rエンブレムは輪島蒔絵が採用されるなど演出、雰囲気作りまで踏み込んだ特別なGT-Rだ。GT-R EGOIST

 パーツの取り付けは栃木工場でラインから外れた専用工房が用意され、1台1台丁寧に仕上げられていた(購入者は希望すればインテリアの組み立て工程を見学できた)。GT-R EGOIST

 残念ながら日本ではこのコンセプトは受け入れられることはなく、2年間(2011、2012年モデル)で28台のみがラインオフしたに過ぎないが、コレクターズアイテムとしての価値は抜群だ。エゴイスト専用色であるアルティメイトオパールホワイトならばなおよし。GT-R EGOIST

2位 2011年式スペックV

GT-R spec V
写真は2009年モデル

 選出理由は1位と同じだが、希少性と速さに対する崇高さで一歩譲るため、R35初のエボリューションモデルであるスペックVを2位としたい。欲をいえば初のマイナーチェンジで完成度をさらに高めた最終型2011年モデルがベスト。とにかく走ることを鍛え上げたモデルで、専用のビルシュタイン製ダンパー、ブレンボ製カーボンローター(国内初)、チタンマフラー、カーボン製リヤディフューザー/リヤスポイラー、RAYS製軽量アルミホイール、レカロ製カーボンバケットシート、リヤシート廃止、専用ブリヂストンタイヤと内容はてんこ盛り。

GT-R spec V
写真は2009年モデル

 これによって60kgのダイエットも実現。さらに、歴代唯一のハイギヤ―ド・ブースト(80秒間過給圧を高める装備)を装着することでパフォーマンス面も大きく向上させる(エンジンの組み立て精度が標準仕様と異なる噂も)など、特別感も文句なしだ。これだけの装備が付いて1575万円はいま考えてもバーゲンプライスであり、いくつかの部品が現行のNISMOにも採用されていることを見ても、すべてが本物であったことに異論はないはずだ。

GT-R spec V
写真は2009年モデル

 ただ、カーボンブレーキは過渡期でサーキットでは問題もあるなど、完成度は現行NISMOのほうが上だが、見た目はノーマル然としながら走らせれば圧倒的に速いという羊の皮を被った狼的な仕上がりのほうがGT-Rらしいと判断。ここは完全に好みの問題だ。

1位 GT-R NISMO Nアタックパッケージ Akit装着車

 R35は輸入スーパーカーと本気で渡り合える性能を持った、日本初のスーパースポーツ。個人的には手に入れられるなら、とびっきりの速さを兼ね備えたマシンが欲しい。それを考えるならば1位はこれしかない。ニスモNアタックパッケージAkitとは、2013年にドイツ・ニュルブルクリンクサーキットで量産車最速タイム(7分8秒679)を樹立した、GT-R NISMOと同じ仕様を作り上げるために用意された専用オプション。製作はNISMO大森ファクトリーが担当。手作業で1台1台丁寧に組み上げられた。GT-R NISMO Nアタックパッケージ Akit装着車

 オーリンズ製4WAY車高調、専用スタビライザー/フロントフェンダー/カーボン製ハイマウントリヤウイング/前後LSD/ バケットシートなど、サーキットでの速さを極めるためだけにスペシャルパーツが開発された。GT-R NISMO Nアタックパッケージ Akit装着車

 特筆すべきは市販車としてはありえない、カーボンリヤバルクヘッドが設定(リヤシートはレスとなる)されていること。記録達成のために必要不可欠だったそうだが、「R35の速さを世界に知らしめる」ためにはなりふり構わない開発陣の強い思いに、GT-Rファンならばロマンを感じるはずだ。GT-R NISMO Nアタックパッケージ Akit装着車

 ちなみにこのパッケージオプションの価格は2017年モデル向けで900万円。2014年モデル登場時は820万円で、前後LSDやカーボンインタークーラーパイピングを装着せず、4シーターのままとなる500万円のBkitもあった。2019年7月末を持って受付を終了しているので、2020年モデル以降は存在しない。GT-R NISMO Nアタックパッケージ Akit装着車

 性能だけでなく価格もスーパーだった。日常の使い勝手は相当スポイルされ、その性能をフルに発揮することは難しいが、世界一を記録したマシンと同じ性能を有したR35を所有している満足度はかなり高い。

まとめ:まだまだ注目のR35

 前述したとおり、最新のGT-Rが最良のGT-Rなのは間違いないが、アフターマーケットにはさまざまなパーツが用意され、直系のNISMOからもアップグレードパーツが存在する。つまり、14年間継続して作られたことで、年式を問わず楽しめるクルマとなった。パフォーマンス面(望めば1000psオーバーも可能)も、フットワーク面(乗り心地がいい、もっと硬い、最新の足にアップデートしたいなど)も自由自在に選べるため、ユーザーにとっては新しさがR35購入時の絶対正義ではなくなったと個人的には思う。

 とくに今回セレクトしたトップ3は、R35を今から自分で所有して満足できるのはどれか、新型車と並んでも見劣りしない強烈な個性があるか、という基準で選んだ。GT-Rは庶民にとって特別なクルマ。長く所有するならば「代えが効かない」モデルを選びたいと、誰もが思うのではないだろうか。

 2022年末での生産終了がウワサされるR35。R34ニュルのようなファイナルエディションは存在するのか? もし、あるとしたら引き出しは出尽くした感があるなかで、どのようなものを提案してくれるのか? 興味は尽きない。R35GT-Rはもう少しだけわれわれユーザーを楽しませてくれそうだ。

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